これはどちらが悪いのか

日曜の夜、おいらとマンジロウは夜遅くまで遊び歩いてしまった。

家に着いたのは夜中の12時。

おいらは元気だったのだけれど、それでも疲れていたのだろうか、

車に酔ってしまった。


家に着いてすぐ寝てしまったおいら。

マンジロウはなんともろもろの片づけを済ませてくれ、

シャワーを浴びて2時に寝たらしい。


で、明け方の5時。


マンジロウのいびきで目が覚めた。



一応、公平を期すために書いておくと、

マンジロウは疲れてる時以外、いびきをかかない。


しかしこの時はかいたのだ。特大のを。


普段、いびきをかいたとしても、「うるさいなあ」程度なのに

聞いていられないくらい大きいのをかましてくれた。


となれば、こっちだって負けてはいられない。

マットレスを揺すって応戦である。


衝撃で止まるいびき。

ほっとして寝ようとしても、ものの数分で再発。

すっかり目がさめてしまったおいら。


トイレに起きて、ベッドに戻ると、まだいびきをかいてるマンジロウ。


もうお弁当はさぼってしまおうと思っていたのに、

仕方なく起き出して、ご飯を炊いた。

もう眠れないなら、有意義に時間を使おうと思ったのだ。



いつもより丁寧に弁当を作り、朝ごはんを作り、満足。



目覚まし時計が鳴って、マンジロウが起きてきた。



そして言いやがった。



「(＃｀皿´)　あいざぁがトイレに行って料理始めたから眠れなくなった！」



3時間しか眠れなかったマンジロウ。

おいらの為に、寝る間を惜しんで片付けしてくれたのに。






でもね。




(＃｀皿´)お前がいびきかかなかったら、寝かせてやれたんだよっ




　　
「おなかが張る」ってさー、表面の皮がつっぱった感じのこと？　これはただハラがでかくなっただけ？

昔贈ったCD

マンジロウは音楽が好きで、ダンボール箱ふたつ分のＣＤを持ってきた。
多すぎ。

最近、ラックの入れ替えが行われて、目新しいジャケットを見かける。

で、ドキリとした。

BASIAのＣＤがあったのだ。

おいらが初めて付き合った男の子に贈ったＣＤ。


マンジロウが昨日BASIAをかけたので、初恋のせつない日々を思い出した。

彼とは高校が一緒で、二年の片思いの末、付き合うことができた。

おいらは彼が本当に好きだった。


高校の授業で、部落差別についての講習があった。
（意味が分からない人は、調べずにそのままのほうがいいです）

おいらの住んでいる近くにもそういう地区があるので、

おいらは彼に聞いた。

「もし私がそうだったら、どうする？」

聞きながら、「気にしない」って言ってくれるだろうと思ってた。

でも彼の答えは違った。




「そんなことを気にしてたら、恋なんてできない」



おいらはこの答えがとても気に入った。

自分が想像してた返答よりも、ずっとずっと人間味と現実味がある。

自分がこんなに素敵な人を好きになったことを、誇りに思った。



彼のことが好きで、本当に大好きで、

別れを切り出された後は、泣いたし、恨んだし、大変だったけど、

やっぱり素敵な人に恋をしたんだ、と改めて思った。



その話を誰かにしたくて、マンジロウに聞いてみた。



「マンジロウ、おいらの昔の恋の話、ききたい？」

マンジロウはきょとん、として

「そうか、今日はそんな話がしたいのか。いいよ、どうぞ」

と言った。



それで、この彼の素敵な返答の話をした。

そしてふと、気付いた。


「ねえ、マンジロウ父はそういうの、気にするんじゃない？」


「うん」


「聞かれた？」


「いいや。俺に何も言わず、調べてると思うよ。

親父はそういうの、すごく詳しいから」



なんか、すごいショックだった。

マンジロウ父に初めてあった時
（詳しくはあいざぁを知るカテゴリーの「なれそめ」をどうぞ）

「日本人だったら構わない」って言ってたけど、

もしかしてあの時点で調べ終わっていたんだろうか？

おいらマンジロウに実家の住所って言ったっけ？

それとも名前だけで調べる方法があるんだろうか？



頭の中でグルグルといろんな問いが巡った。

知っていたのかもしれない、

おいらが日本人だということも、知っていたのかもしれない。




マンジロウに、

「もしおいらがそうだったら、結婚した？」

って聞きたくなった。

でも聞けなかった。


おいらたちは、恋をして結婚したわけじゃない。

全ての条件が折り合ったから結婚しただけだ。

もしマンジロウ父が反対すれば、進まなかった結婚だ。


だからこの問いかけには意味がない。



おいらがじっと黙ってしまったので、

マンジロウが言った。



「もう、そういうことは、親父の代で終りにすればいいよ」



ああ。

そうだね。

本当にそうだね、って思った。

そして、とても素敵な返答だと思った。


悲しいんだか、せつないんだか、わからないまま泣きそうになった。



おいらは、どんなハンディを背負っていても、
それでも愛してくれる人が欲しかった。

だから高校時代、彼にそんな質問をしたのだ。

ばかな小娘だったおいら。

それは今も変わってない。

ただ、ほんの少し、おとなになったような気はする。





　　
負い目がなくても調べられるというのは不愉快なもんだ。

損した株に金をつぎ込む男

最近のブログを読み返してみると、

なんか甘っちょろいと自分でも思う。

まるで牙を抜かれた狼ではないか、あいざぁよ。

最近、マンジロウに対して、ぐったりこそすれ、怒ってない。

なんだ、妊娠してまるくなったのか？

そんなことでいいのか？

いや！いいわけがない！


というわけで、今日はマンジロウのむかつく話。



マンジロウが今回の金融危機で多額の損失を出した株。

いくら損したのかは聞いてない。

怖くて聞けない。



おいらが知らないうちに、

マンジロウはドイツでも投資を始めていた。

ユーロもだだ下がりだから、

円換算すれば大損ぶっこいてるわけだが、

まあ、どうせ定期で持ってたって下がるわけだし、

それはよかろう。



株は当然ながら下がってるよね。

でももういいよ。

仕方ないよ。

と、おいらでも悟りの境地。


だというのに。



「ねえあいざぁ、来月、ウィーンに行こうよ」

とマンジロウが言う。


「あれ、連休あったっけ？」

「ううん、金曜の夜飛んで、日曜に帰ってくるの」

.
.._, ._
（　ﾟ Дﾟ）


なんでそんな過酷な旅を？


それに、なんといっても、おいら妊婦だし…


「行かない？　じゃあ俺だけ行って来る」

「へ？　マンジロウ、なんか用事があるの？」

「うん、使ってる投資会社の説明会」



ｴｯ? (;ﾟ⊿ﾟ)ﾉ



つまりなんですか。

あーたは、大損ぶっこかされた相手の説明会に、

わざわざ自費で飛行機とって、ホテル予約して、出席するわけ？

大損ぶっこかされた会社の為に

まだまだ金をつぎ込むと？(ﾟДﾟ||)


一気に不機嫌になったおいらに、マンジロウが言う。


「金融業界の現状やこれからの予測、聞きたいんだもん。

この投資会社はちゃんと歴史と実績があって、

とってもしっかりしてるんだ。

それにランチがただでついてくるよ？」


「ただ」が好きなおいらをなだめるその一言。



ｱﾎｶｰｯ(ﾉ｀△´)ﾉ ┫:･'∵:.┻┻:･'.:∵


ランチなら10€で食えるだろうが、

飛行機とホテルでいくらになると思ってんだ、このバカチン！


「でもね、飛行機も40€くらいであるんだよ。

日曜日は観光できるし、ほら、説明会の間は

あいざぁが大好きなスーパーに行くといいんじゃない？」


といわれ、おいらも渋々承諾したわけさ。

なんといってもマンジロウは行く気なわけだし、

週末一人で残されるよりは

ウィーンのスーパーに行く方がいい。



そして後日、マンジロウは言った。


「飛行機チケット、取れたよ」

「ほう。いくらだった？」

「うん、ふたりで500€」


誰かこのバカを撃ってください。


そんなことなら、おいら、家にいたさ。




　　
きっとメッセかなにかあるんだと思う。ホテルも値段設定が一番高いランクになってて、ばかみたいに高かった。この投資会社に火をつけようか悩み中。

このパンツは捨ててください

最近、マンジロウが家事を手伝ってくれる。

以前はまったくしてくれなかった。

おいらも要求しなかった。

でも最近はなぜか自ら進んでやってくれる。



このあいだの週末、洗濯物をたたんでいたら

こっそりやってきて、一緒にやってくれた。

「あ、ありがとう」

「うん」

みたいなそっけない会話で、黙々とたたむ。


不意に、マンジロウが言った。


「……これはなに？(・へ・;;)」



「なにって…パンツ」



「パッ　…


いや、わかってるよ、パンツにしか見えないもん。

俺が言いたいのは、なんでこんなの穿いてるのかってこと」




なんでって……


経産婦さんなら知ってるよね？

おなかが大きくなるからさ、デカパンはくんだよ、妊婦は。

それでもおいらはかわいいデザインのを選んで買ったぞ？

グンゼの肌色とかじゃないぞ？




「つまり、いやなんだね、マンジロウ」


こっくりとマンジロウが頷く。


「でもね、マンジロウ、どんなにいやでもね、

おいらはこれを穿くよ」


なんでおいら、デカパン宣言してるんだろう。

自分でもばかばかしいが、現実ははっきりさせねばならん。

最近おいらはおなかも出てきて、立派な妊婦だ。

デカパン穿いて何が悪い。



「そうだね…仕方ないね、妊婦だもん」

自分に言い聞かすマンジロウ。


「でも、でもでも、出産が終わったら捨てるでしょ？」


「( -"-)　なんで？

おいらは穿き続けるよ！」




ｴｪｪｰｰｰ!! w(ﾟﾛﾟ;w(ﾟﾛﾟ)w;ﾟﾛﾟ)w



だって結構気に入ってるの。

ちっこいパンツって縫い目が当たって痛かったりするんだもん。



　　
お願いだから捨ててください orz と言われたけど、どうしよう。産後も愛用したいんだけどなあ。

マンジロウ企画

マンジロウはアメリカ生活が長かったので、
純日本人ながら、感覚がちょっとズレてる。

たとえば、バレンタイン。

毎年必ず贈り物をしてくれる。

花だったり、チョコだったり。ささやかなものだけど。


ちなみにおいらは、まったくしない。

その代わり、マンジロウの会社の人達用に
大きなケーキを焼いて持たせる。

今年はチーズケーキとチョコレートケーキ。


マンジロウが普段プライベートで話さない人と
簡単でも会話できるといいかな、と思って。

「ケーキたべない？」
「どうしたの、これ？」
「バレンタインだから、パートナーが焼いたんだ」
みたいな。


物を贈るのも、もちろん素敵だけど
そういう機会（イベント）をプレゼントするのも、面白いとおいらは思う。


今回、マンジロウは物ではなく、
イベントをおいらに贈ることに決めたらしい。


バレンタインの朝、起こしに行くと、
起き抜けにいきなり

「あいざぁ、結婚してよかった？」

と言い出した。

まだベッドから出てもないのに…


「今日はバレンタインだから、この話をしようって決めたんだ。

あいざぁは不満とか文句、言わないけど、

でも時々不機嫌になるのは、そういうことなわけで、

だからそれを聞く日にしようって」


とパジャマ男が言う。



……マンジロウ、朝一番じゃなくてもいいんじゃないか、それは。



おいらが何も言わないので、マンジロウは困った顔で


「なんで俺と結婚したんだろう、って思ったことはある？」


と、会話の糸口を見つけようとした。






おいらはとっても正直に　「うん」　と答えた。






「∑(｀□´/)/ ﾅﾆｨｨｲｲｲ!!」




って、おい。


自分に落ち度はないと自信満々かい。


朝っぱらからぐったり落ち込むマンジロウ。


ほんとカンベンしてくれ。




　　
企画下手なマンジロウにバレンタインクリック、プリーズ。