絶対欲しくないもの

マンジロウのお友達で、めっちゃ金持ちがいる。
結婚のお祝いも、そりゃあすごいものをくれた。

今回も期待できる。
なんて、おいらってば図々しすぎるけども、
この友達夫婦には期待してしまうのだ。


昨日、奥さまの方から電話がかかってきた。


「あのね、あいざぁちゃんは、
あかちゃんの出産の時間や体重をプレートにする？」

ああ、
あれね、たまひよとかに載ってるやつね。
子供の体重とか書いてるやつね。


超いらねー


だってこういうの、後から邪魔だと思っても
捨てられない重みがあるんだもん。
おいら飾り物って嫌いだし。
どこに置くんだよプレートなんざ。
子供が大きくなったら、絶対しまうもんだしさ。


「おいら、そういうのしないんですよ」

と返事をすると、


「よかった！
私、今ステンドグラスの制作をしててね、
これで赤ちゃんのプレート作ってあげる！
楽しみにしててね！」




ΣΣ┗（|||｀□´|||;;）┛ｶﾞｰﾝ!!


いや、だから、超いらねーって…



豪華な出産祝いが、手作りステンドグラスになっちまった。
しょんぼり。



　　
正直なとこ、結婚祝いにしても出産祝いにしても、おいら祝いはいらんのです。おかえしが大変だから。

見つかっちゃった！

マンジロウから電話があった。

「野菜スープを作ろうと思って、
コンソメを探してたら、
味の素を見つけた」

大変うらみがましい口調だった。

マンジロウは味の素が嫌いである。


なんでだろう？
化学物質だから？
じゃあ、食卓塩はいいの？


基本、おいらは味の素は使わない。



でもねー、どうしても好きなものがあるんだ。


目玉焼き、あなたはなにをかける？

ケチャップ？ソース？
マンジロウは塩コショウ派。


おいらねえ、味の素に醤油が一番好きなのよ。

ドイツで生玉子はNGって知らなかったから
卵ごはん用でもあったんだけど。

これも、味の素に醤油。


普段の料理には使わないけど、
実はマンジロウの弁当用卵焼きにはちょっと入れてる。

ある程度摂取しておかないと、
日本に帰った時、ショック症状出たりして。
とか思って。


味の素嫌いを主張するマンジロウ、
一度も気づいたことはない。
それで責められるのは、ちょっとやだ。


　　
この件はおいらが悪いかもしれない。

どこからが虐待か

おいらの実家は一戸建てである。

と言っても、下町の貧乏人が住む一戸建て。

隣との間は、人がひとり、なんとか通れるくらいの隙間しかない。
窓を開けたら、隣の家の壁が見える。


うちの風呂の窓は、隣のリビングに隣接してるようだ。

のんびり風呂につかってると、
隣の家族の会話が聞こえてくる。


それが、必ずといっていいほど、

子供の泣き声と母親のどなり声。


毎日毎日、よくそんなに怒れるなあ、と感心する。

子供はまだ1歳ちょっとで、
ほとんどしゃべれないらしい。

だから泣くことしかできないんだと思う。

お母さんの方は、かなり厳しく、長く叱責する。


実家に帰ったばかりの時は
虐待じゃないだろうか、と心配になるほどだった。

うちの母親に相談したら

「あそこのお母さんは、ちょっと激しいよねえ」

と言っていた。

が、通報しようとはしない。



うちの親父は子供のしつけはゲンコツだった。

だからおいらもしょっちゅう叩かれたし、
親父が怖くて仕方がなかった。


妹は、成人してから
「あれは虐待だったと思う」と言い出した。

母は「あれはしつけ」とケロリとしてる。


おいらは親父のこと好きだし、
虐待で訴えようとも思わないけれど、

はさみ将棋で親父相手にコテンパンに負け、
くやしくて泣いたら叩かれた、
というのはしつけに入るだろうか？


虐待で殺された子供のニュースなら日常茶飯事、
幸い死ななくても、
虐待されてる子なんて山ほどいると思う。


できるなら、そういう子どもを救いたいと願う。

でもどこからが虐待なのか、わからない。

どこまでがしつけなのかも、わからない。


とりあえず、決めてることがある。
おいらは子供には手を上げない。

とか言いつつ、上げちゃうかもしれないけどさ。
だって幼児ってほんと、聞きわけないし、大変だもん。

だけどまあ、まだ生まれてもないんだし、
目標だけは持っておこう。


あとね、気が狂ったみたいに怒鳴るのもいやだな。

怒鳴らせてるのは、子供の方なんだけどね。







　　
しかし通報って、実際にはできんもんだね。勘違いじゃ済まされないもんなあ。

今日の会話

うちの母は、玄関に花を植えている。
プランターをいくつも並べて、気ままに園芸を楽しんでいる。

とはいえ貧乏なので、
高価なしつらえはしていない。
おそらく園芸のあらゆるグッズは、そんなに高くないであろうが
貧乏人というのはどこまでも倹約にいそしむものなのだ。


暑くなってきて、日中は窓を開けている。
玄関に近い窓も開けている。
目隠しがあるので、見えないから全開。


今日、通りを行く人の声が聞こえてきた。

まだちゃんと喋られない幼児と、おばあちゃんかなあ？って声。



幼児「きゃーあ、きゃーあ」

祖母？「きれいねえ、おはな」

幼児「んーん」

祖母「うん、わりばし」



orz………


そう、おいらの母は支柱の代わりに
堂々と割り箸を使用。





　　
金がないってこういうこと。

お義母さん、かんべんしてください

前にもちょっと書いたけど、
マンジロウ父母は、
本来であれば自分たちの家においらを滞在させたかった。

おいら的にはありえない、この選択肢。
だけど彼らは本気でそう思ってた。


マンジロウ父は、おいらが家にいるとなぜか楽しいらしく
それに孫が生まれたら毎日そばにいられるし、
そういう意味で一緒に暮らしたかったんだろう。


でもマンジロウ母は、
「嫁にきてもらったのだから、そうするのが当然」
と考えているようだ。

つまり、おいらと一緒にいたいとか、そういうんじゃなく
義務だと。

嫁の義務でもあり、姑の義務でもあるんだろう、きっと。


だから、マンジロウ母は、
おいらが実家に滞在してることを、
非常に申し訳なく思ってるようだ。

彼女はおいらの理解をはるかに超えた、
よくわかんない思考回路の持ち主だ。

基本的にはいい人なんだよ。優しいしね。
だけど時々、？？？？と思うことがある。


おいらが帰国してからの電話攻撃もそう。



どうしても言いたいらしい。

「うちがあいざぁさんのお世話をしなくちゃいけないのに
ご実家にご迷惑をかけて申し訳ない」

という一言を。

これはつまり、

「私にはちゃんと常識があって、ものの道理もわかっているけれど
本人の希望があったから
今こういうことになってるんですよ」

っていうアピールだ。


だから一回言ったくらいじゃ気が済まない。
しょっちゅうかけてきて、こういう事を言う。


それは、まあ、いいじゃないか。




問題はだね。


そう、これが不思議なところ。

うち、キクばあちゃんが闘病生活を送ってて、
おいらの母親は病院に付き添ったり、
食事を作りにいったりで、
結構大変な生活を送ってる。

だから、マンジロウ母はそれを気遣って
なぜかハルばあちゃん（父方のばあちゃん）に
電話をかけてくる。


これがおいら、さっぱりわからんのよ。


ハルばあちゃんに
「あいざぁさんをお預けして申し訳ない」
って言ってもさあ。

すぐ近所だけど別所帯だしね。

ハルばあちゃんも、困惑気味。

電話がかかってきても、何を話していいのかわからず
おいらのハラがまた大きくなった、というのを繰り返しすぎて
もはやおいらのハラはギネスブック並みになってしまっている。


上品でピントがずれた人のすることって、
わけわからん。




　　
ハルばあちゃんがかわいそうなので、電話やめてください。が言えない根性無しのおいら。