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お育ちのいい夫にてこずる妻日記。エコだったり毒舌だったり。

2025-01

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実はおいらが出産する前から
キクばあちゃんとの同居が始まっていた。

キクばあちゃんは末期のすい臓がんで、
3ヶ月の余命宣告をされているのに

生き延びている。

絶対効かないとされる抗がん剤が

なぜかめちゃめちゃ効いてる。


一時、かなり容態が悪くなって、
我が家もてんやわんやで
ブログの更新がまったくなかったわけなんだけど、
 
結局良くなって退院。

それでも弱ってはいるから、
我が家で同居することになった。

やはり90まで生きるだけあって、
生命力が違う、と思わされたものだった。


キクばあちゃんは、
癌で弱ってはいるものの、
会話の洒脱さは健在。


先日の会話をご披露しよう。


キ「あいざぁ、ほら、あれ誰やったっけ」

あ「うん?」

キ「ほら、あの人よ」

あ「いや、ばあちゃん、そのクイズ、ヒントがなさすぎ」


キ「あの、有名な人」

あ「芸能人かいね。もうちょっと、なんかないん?」

キ「一番有名な人やんかいね」


あ「わかった! もんたやろ、おばあちゃんの好きな」

キ「ちゃうちゃう。もっと有名なひと」

あ「ええ? もっと有名? キムタクとか?」

キ「ええいもうっ、なんでわからんの。
  一番有名な人やんかっ」


というやり取りを10分以上つづけた結果、

導き出された正解は…


浜村淳。


orz


彼は関西ローカルじゃねえの?

しかも「昔は有名だった」とも思えない。

正解にたどり着いた自分に拍手だ。




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キクばあちゃんのつれあいである、じいちゃん→詳しくはこちら

日本のみならず、海外にも原子力発電所を作りに出掛けていた
生粋のエンジニアである。

すんごい頑固で、ひねくれもので、変人とされている。
あいざぁ家で変人っていわれたら、そりゃあすごいってことだよ。


ばあちゃんの治療を姉(が手配できる範囲)に任せるために、
うちの母は我が家へ引き取りたいと思ってる。

でも、じいちゃんが海辺の家から動かない。


じいちゃんばあちゃんは、石造りの階段を降りたら砂浜、という
海辺に住んでいる。
家の裏の空き地を借りて、
ずっとずっと家庭菜園を続けていた。
じいちゃんの作る野菜はとてもおいしい。

でも、もう体力が続かなくて、
空地に戻してしまった。


前の週末、おいらはじいちゃんばあちゃんちに遊びに行った。

じいちゃんは、空き地で紙ゴミを燃やしていた。
使い古した小さな焼却炉が、
空地の真ん中に置いてある。


空が広くて、海が見えて、
風が心地よくて、とてもいい休日だと思った。

「ここが一番良い」
とじいちゃんは言った。

じいちゃんが、うちに来たくないというから、
ばあちゃんもこの家に残っている。
本当はうちに来たいのに。

でもじいちゃんは、この海辺の家を離れたくない。


じいちゃんは黙々と紙をくべる。
おいらは、じいちゃんが刈って乾燥させた雑草を
せっせと運んで火にくべる。

わずかに残った水分がパチパチとはぜて、
時々大きな火を起こす。


「じいちゃん、最近このへんも家が増えたし、
近所のひと、
こういうことするの、嫌がるんじゃない?」

もうもうと上がる煙、舞い上がる灰。
それだけでなく、
そこに火があるというだけで、嫌がられるだろう。

「言われるまでは、やっといてええやろ」

じいちゃんはひょうひょうとしてる。


おいらは昔から、
ダイオキシンが豊富に発生していそうなこの焼却炉が
大好きだった。

いつもお願いして、紙ゴミを火にくべさせてもらっていた。
もし子供が生まれたら、きっと大喜びしたと思う。

火の音、熱さ、風に翻弄される煙。

キャンプファイアーみたいな、どこか花火みたいな。

でも子供が走り回れる頃には、
ここにじいちゃんばあちゃんはいない。
おいらが歩くより先に浮かんだ海にも
きっと行くことはないだろう。

じいちゃんが、ここを離れたくないのは、
とてもよくわかった。

「ここに吹く風は、汚れてない」

とじいちゃんは言う。
おいらんちの周りは、ごく普通の下町で、
海もなければ、爽やかな風も吹かない。

最後までここにいさせてあげたかったな。

でも、そんなささやかな望みさえ、
かなえてあげることができないんだな。


おいらは雑草を火にくべつづけ、
じいちゃんはじっと火を見ていた。



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だからおいらは海が好きなわけ。カナヅチの夫なんかほしくないわけ。



キクばあちゃんがすい臓癌で余命三か月の宣告をうけてから
今月で3ヶ月目。

まだまだ死にそうにない。

実はじいちゃんの方が
「連れ合いが死ぬかも知れない、いや、確実に死ぬらしい」
というプレッシャーに耐えられず
日々弱っていっている。


癌は見つかった時点でステージ4。
つまり末期だった。
すい臓って、老人でも進行が速いんだね。


痛みが出ないように、という目的で、
ずっと抗がん剤を続けてきていたけれど、
激しい副作用はないものの、
なんとなーく具合が悪くなっていたらしい。


で、このたび、抗がん剤を少しの間やめることにした。


するとばあちゃん、すっげ元気になって、
病気になるまで通ってた編み物教室にも復活。
癌自慢に花を咲かせているらしい。


ばあちゃんは、自分がそう遠くない未来に死ぬということを
こちらが戸惑うくらい受け止めている。

実の娘である母も、受け止めている。

二人の会話はこうだ。


母「葬式、着物じゃなくていいかな」

ば「ええやん、ワンピースで」

母「花はいっぱい飾ってほしい?」

ば「わたしは見られへんから、適当でええわ」


本人と葬式の打ち合わせ。

マンジロウなら受け入れられないだろうな。


おいらはおいらで、
ばあちゃんに赤ちゃん用のケープを編んでと頼んでいるのだが

「もうばあちゃん、しんどいもん」

としらっと断られている。

「せやけど、これから生まれる全部のひ孫にまわすで」

と口説いているが、今のところ編む気配なし。


ばあちゃんの編むセーターや帽子は、
あまりにも前時代的なデザインで、
もこもこしていて、
おいらもたくさん編んでもらったけど、着にくいものばかり。

編んで、と頼むのは初めてのことだ。


おいらにも何か技術があって、
遺せるものを作れたらいいのにな。



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キクばあちゃん。母方のおばあちゃん。

余命3ヶ月って診断されて、2か月が経過。


元気です。


いや、いいことなのよ、もちろん。

でも家族にびみょーな困惑があるのも事実。


「もしかして…死なないんじゃない?」

ってだれもが思ってそう。


3ヶ月っていうのは、治療もなにもしなければ、ってことらしく、
今は抗がん剤治療をしていて、
それが合っているようだ、ってことなので、
それで元気なんだと思うんだけど。


おいらとしては、すごく嬉しい。

けど、あいざぁ母は、ちょっと大変。

入院せずに済んでるから、
しょっちゅう通ってごはんを作ったりしてる。

通院にも付き添ってるし、
精神的にもきついはず。

だから、時々ヒステリーを起こす。


このヒステリーが、わけわからん。


たとえば、この間、父方の方のじいちゃんばあちゃんと、
姉夫婦と一緒に手巻き寿司パーティをしたんだが。


母「サラダ、どうすんのっ」 ←すでにヒステリック。

あいざぁ「あー、おいら作ろうか?」

母「ポテトサラダする?」 ←あらっ、限定?

母「でもじゃがいもが一つしかないのっ」

あいざぁ「じゃあ、違うのしようよ」

母「でもおじいちゃんが好きやの、手巻き寿司に巻くのっ」


えっ(・.・;)ナンデ?


あいざぁ「じゃあ余計作らない方が良くない?
      だってそれ絶対おいしくないよ」

母「そうやね…じゃあ今回はなしにしよか」


という、やりとりの10分後。


母「ポテトサラダどうすんのっ」(ノ`△´)ノキーッ


いや、まったくわけがわかりません。


アルツじゃなさそうなんだけど。
どうやら、とにかくイライラするみたい。

ちょっとハナコさん(アルツハイマー)に似てるのは、
説得して、同意を得たはずなのに、
やっぱり自分がやりたいことを蒸し返すとこ。

ポテトサラダを作りたかったんだよね、母よ。
おいらがじゃがいも買いに行けばよかったのかな。


結局ポテトサラダは、1個のじゃがいもで作りました。
(かなり大きなじゃがだったし、じいちゃん専用っつーことで)


ええ、じいちゃん、巻いてました。

ポテトサラダどころか、そこにマグロも乗っけてました。

呆然とみているおいらに、じいちゃんが一言。


「あいざぁっ! おまえ、海苔に対して飯が多いぞっ!」





ええ。我が家はいつもこんな感じ。






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あ、タイトルとずれた記事になっちゃった。

ばあちゃんにすい臓がんが見つかり →詳しくはここ
余命三ヶ月が宣告されたショックも落ち着いてきた今日この頃。

姉が奔走して、偉い先生にセカンドオピニオンを頼んだら、
「三ヶ月持たないと思う」
と更にショッキングなオピニオン。


家族全員、なんかそれで、覚悟が決まった。

治るとか、そういう希望は持たなくていいんだ。
ただ、最期の時間を大切に過ごそう。


というわけで、抗癌剤治療が始まった。

癌を小さくするとか、やっつけるというタイプではなく
大きくならないように、
痛みがでないようにする、ゆるやかなものらしい。


ばあちゃんは一週間入院し、このたび、退院。

一人になってしまうじいちゃんのために、
家族が手分けして毎晩泊りに行った。

おいらも手伝いたかったけど、ドイツじゃね。


この抗癌剤入院を3ターム繰り返すという話だったけど、
高齢ということもあり、
今後については、未定。
もしかしたら、この一回きりかも、だって。



日本へ帰る荷物をまとめていて、
ふと、悩んでしまった。
喪服というものをおいらは持っていないが、
その代わりになる黒い服をスーツケースに詰めるべきか、否か。


その時を迎えて、
あわてて服を買いに行くのもイヤだけど
準備しておくというのも、なんかイヤ。

いや、今回は準備すべきなんじゃないか。
だってお別れの準備ができるように、
すべてお膳立てが整っているんだから。

いろんな考えがぐるぐる回る。


おいらが黒い服を着る時、
マンジロウはどうするんだろう。
マンジロウの血縁ではないし、
来てもらわなくて、おいらは構わない。

でもマンジロウは「常識的に」帰国しようとするだろうか。
これ、話し合ってた方が良いのかな。


ばあちゃんは、親類で唯一、
おいらがドイツに行くことに反対した。
理由は「死に目に逢えないから」


ばあちゃん。
それはおいらの子供が助けてくれたよ。


癌と知って、ばあちゃんに電話したら、

「あいざぁは孫の中で一番ふらふらしてて、
親にちゃんとええ大学出させてもらったのに
他の子はきちんと定収入があるのに、ほんまにどうしようもないって
ずっと心配やったけれど
ええムコさんに貰ってもろて、
もう安心できたからね、ばあちゃんは心残りないねんよ」

と言ってくれた。
(いや、ひっかかるところは多々あるんだけどもね)


ええムコさんかあ。
びみょー。



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とりあえず、おしどり夫婦を演じなければ。芸能人ばりに。
プロフィール
HN:
あいざぁ
性別:
女性
自己紹介:
ドイツ在住、細々とライター業。
海外転勤につられて、まんまと策略婚。
夫との育ちのギャップに窒息寸前。


夫:マンジロウ。日本人だがアメリカ人的思考。
息子:ゴウ。幼児。

☆☆★★☆☆☆☆☆☆

このブログはリンクフリーです。
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ご報告いただかなくても大丈夫ですが「貼りました」と連絡もらえれば、遊びに行かせてもらいます。

著作権はあいざぁにありますので、勝手な引用は禁止です。勝手なリライトはおいら泣いちゃうのでやめてください。書き直して酷い文にされることほどツライことはないです。


★★☆☆☆☆☆★★

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広告コメントはあいざぁの自分勝手な判断で削除しています。ごめんね。
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