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お育ちのいい夫にてこずる妻日記。エコだったり毒舌だったり。

2024-04

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☆おとついと、昨日からの続き☆


ちょうどその後、マンジロウは二週間くらいの長期出張に出てしまい
連絡がぷっつり途絶えた。

このままフェイドアウトしちゃおう、おいらはそう考えてた。



しかしマンジロウ父のネタはおもしろいので、
友達に話しまくった。
大抵はバカ受けだったけど、仲のいい友達がこう言った。


「いいんじゃない? 結婚しちゃえば?」


当時のおいらにとって、結婚は、やはりドロドロに惚れた男とするものだった。
好きでもない男と、条件がいいからってだけで結婚するのは、
すごく間違ったことだと思ってた。


「あんたね、このままでいいと思ってるの?
ライターなんて、若くて安いお金で働く子がどんどん出てくるんだよ。
大御所になるキャリアもないし、コネもないあんたが、
このまま同じ生活できると思ってんの?

次の男が結婚してくれるって、思う?
次の男がお金持ってると思う?

このままじゃねえ、
あんた、路頭に迷うよ


このセリフは効いた。

その通りだと思った。

どうせ次においらが惚れる男も、同じだ。
甲斐性なしで、無責任で、自分の夢を追いかけるのだ。

今までの男たちは、おいらがドロドロに惚れたヤツばかりだったけれど
それでも最終的には愛情が冷めた。
今惚れてても、それが続くとは限らない。



だったら、最初から惚れてなくてもいいんじゃない?





今から思うと、あいざぁ父の猛烈アタックのせいで、
おいらはマンジロウの気持ちを確かめたわけじゃないのに
おいらの一存でマンジロウと結婚できるような気になっていた。


そりゃあ、マンジロウだって、
おいらのこと気に入ってるからデートしてたんだろうけど
そこから結婚に飛躍する人間ってあんまりいないよね。


しかし、そんなことはそっちのけで、おいらはこう思った。

悪くないかもなあ。

ドイツなら言葉も苦労しないし、興味がある国だ。
海外で暮らす、なんて、おいらにゃ一生縁がないと思ってたけど
そんな経験ができるなんて、こりゃチャンスだよね。




そんな時、帰国したマンジロウから連絡があった。


「オヤジが、前の時に神戸のフレンチに一緒に行くって約束した、って
言うんだけど、本当なの?」


もちろんウソである。
やるな、マンジロウ父。


しかし、おいらは前向きだったので
「あー、そんなこと言ってたかも」
と受け入れた。



というわけで、父親同席のデート、二回目に突入。





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あの、ちゃんと日本に発つまでには、終わると思うよ。ほんと。がんばる。
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☆昨日の記事の続き☆

デートを重ねると、それがただの食事デートであったとしても、
男というのは、すぐに次の展開を期待する。
数回のデートで「付き合う」云々と言われるのは、おいらは好きじゃない。

もちろん、おいらが惚れてる男なら万々歳だけどさ。


マンジロウは、そういうがっついたとこがなかった。
レストランからの帰り道、二人で歩いていても、手をつなごうなんてしないし、
おいらの家まで送っていこうともしない。(←これは良し悪し)


本当にただ一緒にご飯を食べるだけ。
それはすごく居心地がよかった。



ある日マンジロウから連絡があった。

「この間はなしてた、《一見さんお断りの料亭》に予約が取れそうなんだけど…

うちの父親も一緒に行くって聞かないんだけど、イヤだよね?」


という内容だった。


付き合ってもない男の親に逢うというのは変な気もしたけど、
むしろ付き合ってないから気楽ということもある。

「全然かまわないよ」とおいらが言うと、マンジロウはほっとしたみたいだった。


裏話をすると、
この2ヶ月ほど前、この二人はマンジロウの結婚を巡って大喧嘩になり
マンジロウ父は血圧を上げて倒れた。
そのことがあって、
マンジロウはちゃんとおいらのことを「友達」だと伝えたらしいのだが
無下に断るのも気がとがめたらしい。




当日、格式ある老舗料亭にゆくと、
すでに二人は着いていた。
マンジロウ父はおいらを見るなり、テンションが上がり、
ずーーっと笑いっぱなしで酒飲みっぱなしだった。


料亭のお味は、敷居の高さほども凄いかは分からなかったが、
個室でてんぷらを揚げてくれたり
仲居さんの心遣いが行き渡っていたり、
それなりによかったと思う。


マンジロウ父は押し付けがましいタイプで、おしゃべりだが
知識は豊富で、話が面白かった。
おいらはこの年代の男性とのコミュニケーションは得意なので、
適当に「感じの良い女性」を装った。


なんせ高い料理をご馳走になるんだから、おいらだってそれくらいのことはする。


父親の前のマンジロウは、いつもより控え目で、あまり話さない。
それでも「オヤジ、飲みすぎだよ」と気遣ったり、
父親がテーブルに落としたタレをさっとナプキンで拭いたり、
なんとなく、普段より感じのいい男に見えた。


マンジロウがトイレに立った時。
いきなりマンジロウ父は真面目な顔をして

「こんなに早いタイミングで、しかも私が聞くのは変だけども、
可能性として、
マンジロウと一緒にドイツにいく、なんてことはありえるかな?」

と言われた。



正直、すごく驚いた。
彼がおいらを気に入ってるのは分かっていたが、
まさかこの場で結婚を打診してくるとは思わなかったのだ。


おいらが返答に困っていると、
おしゃべりマンジロウ父は延々と語りだした。


このままマンジロウがヨーロッパにいけば、
婚期が遅れるだろう、
そうなると相手の女性の年齢も上がって、子供が難しくなるだろう。

しかも相手は日本人ではないだろう。
それだけは困る、結婚相手は日本人でないと。
なぜならマンジロウが海外に永住してしまうから。

マンジロウの恋愛に口を出すつもりはない、
しかし転勤までに時間がない。
結婚式もきちんとしたいから、時間はますます残されていない。

今日あなたに逢って、
あなたのような素敵な女性が嫁にきてくれたらどんなに素晴らしいか、
老いの夢を見てしまった。
マンジロウがまごまごして、
このまま進展せずに転勤なんてことになったら、
私は悔しくて夜も眠れない。

などなど。


恐ろしいほどスピーディに展開していく。
マンジロウ父の中のマンジロウ像が、恋愛にヘタレであることは笑えたが、
そのほかはあんまり笑えない。


「でも、うちとマンジロウ家では釣り合いませんよ」

と、我ながら見事なほど適当にかわすと、
マンジロウ父は更にヒートアップした。


「今の時代に、家柄なんて!
日本人であれば何も問題ないよ!」


と、おいらを気に入ったというより
日本人女性なら誰でもいいという本音をポロリ。


しかしこのマンジロウ父の発言は結構きついものがある。
もしもおいらが在日朝鮮人だったら、きっと相当落ち込むだろうな。
おいらは遡れる限り、日本人だけれど、
それだってどこで血が混じってるかわからない。
そんなふうに考えてしまって、ちょっと気分が沈んだ。


今でもそうだけど、
マンジロウ父は明るくて面白い。
だけど、なにか肝心な部分でおいらをブルーにさせる。
本人にそのつもりはないんだけども。


おいらはなんか面倒くさくなって、
もうマンジロウに逢うのはやめようかな、って思い始めた。


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あれ、意外に長いな、この話。
マンジロウ父のことを昨日書いたので、
いい機会だから、結婚のいきさつでも書こうかと思う。

おいらが友人の催した飲み会(合コンともいう)で
マンジロウとであったのはご存知のとおり。
(知らない人はカテゴリー「あいざぁを知る」の昔の記事を読んでね。
だってリンク貼るの面倒なんだもん)


飲み会は、すごくフツーの会合だった。
他の女の子は、最初はマンジロウに興味を示したが
一年以内にドイツに転勤が決まってるという発言で
ドン引きだった。


その時の女の子たちは皆看護婦さんで
それなりにキャリアも積み重ねていて、
仕事を続けたいというのもあったと思うし、
一年で結婚するよりは破談になる可能性が高いと踏んだのだろう。


おいらは特にマンジロウに惹かれなかった。

育ちが良くてちゃんとした勤め人っていうのは
おいらにとって、ちっとも面白くない。

おいらは日本人にはビザが下りない国に密入国した男とか
やたらと日本民芸に詳しい男とか
映画について話し出したらノンストップな男とかがすきなのだ。



ずーっとアメリカで生活していたマンジロウ。
キャリアアップのために、
次はヨーロッパ市場担当、ってことになったんだけど、
ポジションがアメリカとドイツで空く時期がズレ、
その空白の一年を日本で過ごすことになってしまった。

日本の会社が合わなくてストレスがたまり、
誘われるまま飲み会に繰り出していたという。



おいらはドイツ語が少し話せたので
ドイツ話で盛り上がった。
マンジロウもおいらのことを「ちょっと変わった女の子」程度に思ってた。
お互いに好意を抱いていたわけではないんである。



マンジロウは大学からアメリカに渡ったので
地元に友達が殆どいない。
寂しい男だ。

だからおいらを食事に誘った。
おいらはタダめしならどこにでもついていく。
やっぱりお互い、下心はなかった。


マンジロウとは面白いと思う点や興味をもつ点など、
共通項が結構あった。
考え方も、ある部分は似ている。

だからおしゃべりをしながら食事をするのは楽しかった。
でもそれと恋に落ちるというのは全く違う。

恋に落ちるには、やはりそれなりのロマンスが必要だ。
マンジロウとおいらには、そういうものは降りてこなかった。


マンジロウが連れて行ってくれるレストランはすごく高くて
しかも信じられないくらい美味しかった。
中にはメニューのないレストランもあった。
シェフが「今日はカジキのいいのが入っていますよ」とか言うのだ。
おいらはマンジロウというよりレストランに惹かれて
毎週のようにデートしていた。


多分3回目か4回目のデートだったか。
ある「一見さんお断りの料亭」の話になった。
おいらが一度は行ってみたいと思ってる老舗だ。
マンジロウも行った事がないという。


「あ、でも、父親に頼めば入れるかも。
オヤジは何度か行ってるから」

とマンジロウは言った。


たぶん、この料亭の話が出なかったら、
そしてマンジロウ父が登場しなかったら、
おいらたちが結婚する展開にはなってなかったと思う。


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後半へつづく。しかし今更なれそめなんて、誰も興味ないか。






12月の夜に雪が降ると、思い出すことがある。

数年前の夜、家族で車に乗っていた。
雪が降っていて
「今年はホワイトクリスマスになるかもね」
なんて言っていたはずだから、多分、クリスマス数日前だったんだろう。


交差点で赤信号に捕まった。
雪が降ってて、道路は混んでいた。
赤いテールランプが、なんとなくクリスマスっぽかった。

車が停車した瞬間、警察がわっと出てきた。
十人以上いたと思う。
飲酒運転の取り締まりだろうか、と思いながら、
なんとなく緊張したのを覚えている。


ノックされて、助手席の母が窓を開けた。
父は車内灯をつけた。

警官は鼻が真っ赤で、吐く息はとても白かった。


「3日前、この時間帯にひき逃げがありました。
目撃されていませんか」


警官はビラを母に渡した。

おいらはそれを受け取り、きょうだいで見た。


現場が二つ載っている。



「一日に二件もひき逃げがあったんですか?」
と、おいらは聞いた。


「いいえ、ここではねられ、3キロ先まで引きずられ、
そこで発見されました。
載っている現場ははねられた場所と、発見場所です」


被害者は90歳のおばあさんで、死亡していた。


「絶対に見つけなくちゃいけないんです。
どんなことでも、心当たりがあったら連絡をください」


警官はそう言って、
青信号になる前に、違う車へ向かった。



おいらは悪いことしてなくても警察にはなぜだか怯える小市民。
不祥事も続いていて、「警察なんて」と思ってた。

でもこうやって一生懸命、
雪の降る夜に目撃者情報を探してる警官もいる。


雪の中、「寒い寒い」と歩きながら
時々あの警官を思い出す。
あの人たちは、もっと寒かっただろうか。
それとも正義感に燃えて、寒さを感じなかったんだろうか。


あの犯人が見つかったのか、おいらは知らない。
でもきっと見つかったと思う。
世の中はそういうふうにできてると、思いたい。




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つーか、めっちゃ寒いんですけど、ドイツ。去年より圧倒的に寒いぞ。
おいらは、そこそこ料理はできるんだけど
それでも絶対に料理上手とは言えない、言いたくない、と思ってる。

というのは、知り合いで本当に料理上手な人がいるから。


彼女は携帯のコンテンツ会社を経営してて、美人。42歳独身。
16分の1、ドイツかスイスかの血が入ってるらしく
若い頃は宮沢りえみたいな顔してた。
今はそこそこ老けてる。

しかし巨乳&美乳は健在。
なんで知ってるかというと、ヌード写真を見たから。
そういうのを撮って人に見せるタイプの女性だ。


彼女の料理は、ほんとうに美味しい。
彼女は夏になると、知り合いの軽井沢の別荘に、コック長として招かれる。
そこにおいらはアシスタントとしてついていく。


別荘の持ち主は結構大きな会社のオーナーで
お中元なんかの贈り物が大量に届いていて
それを仲間で美味しく食べるという催しを開く。


彼女は、どんな食材が出てきても、必ず調理する。
本もネットも見ずに。

これがすごいよ。


すじこからいくらのしょうゆ漬けにする方法なんてさ、
どうやってすじこの膜を取るのか、ってとこでつまづく。
でも彼女はこともなくやってのける。
そしておいらは、その方法をすっかり忘れる。
(箸をざるにつき立ててガシュガシュ混ぜてた光景は覚えてるんだが)


多分彼女はおいらに仕込んで
いずれ自分は楽をしようと思ってたんだろうけど
おいらは彼女のようにはなれなかった。


なんせ、彼女は別荘付近を散歩してて
「あっ、ふきだ!」
とふきを発見し、がっつり収穫して家で佃煮を作ってしまう人なのだ。

おいら、まずふきの選別ができないし
鬼のようなアク抜きができない。
指示されればできるけど、知らないのだ。


彼女は生まれも育ちも超都会。
一体なんで、そんなに料理がうまいのか。
全くのナゾだ。


彼女は20歳前後でアメリカに留学し
ルームメイトのお弁当を作ってあげたら
それを見た人たちから発注を受けるようになり
ケータリング事業を起こして一財産築いたという
料理の申し子みたいな人なのだ。


料理ができる、ってことがすごいんじゃなくて
人の心をがっちり掴む技があるのが、すごい。羨ましい。
彼女の料理の展開方法を聞いてると
経験ではなく、化学でものを考えてるのがわかる。
やっぱり頭がいいと、なにもかも違うなあ。


そんな彼女は、男を見る目だけはなく
5歳年上の同棲相手に
「妊娠したら結婚してやる」といわれ
甲状腺の持病があるのに不妊治療に通ってる。


頼むから違う男にしてくれ。

でも彼女のこういうイタイところも、憧れちゃう。
だってかわいいから。

おいらもかわいい女の人になりたい。というより、なろう。




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かわいいとか思ってるあたり、おいらもだめんずウォーカーだという証拠。
プロフィール
HN:
あいざぁ
性別:
女性
自己紹介:
ドイツ在住、細々とライター業。
海外転勤につられて、まんまと策略婚。
夫との育ちのギャップに窒息寸前。


夫:マンジロウ。日本人だがアメリカ人的思考。
息子:ゴウ。幼児。

☆☆★★☆☆☆☆☆☆

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気になる記事など自由にリンクしてください。
ご報告いただかなくても大丈夫ですが「貼りました」と連絡もらえれば、遊びに行かせてもらいます。

著作権はあいざぁにありますので、勝手な引用は禁止です。勝手なリライトはおいら泣いちゃうのでやめてください。書き直して酷い文にされることほどツライことはないです。


★★☆☆☆☆☆★★

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広告コメントはあいざぁの自分勝手な判断で削除しています。ごめんね。
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