おいらは、そこそこ料理はできるんだけど
それでも絶対に料理上手とは言えない、言いたくない、と思ってる。
というのは、知り合いで本当に料理上手な人がいるから。
彼女は携帯のコンテンツ会社を経営してて、美人。42歳独身。
16分の1、ドイツかスイスかの血が入ってるらしく
若い頃は宮沢りえみたいな顔してた。
今はそこそこ老けてる。
しかし巨乳&美乳は健在。
なんで知ってるかというと、ヌード写真を見たから。
そういうのを撮って人に見せるタイプの女性だ。
彼女の料理は、ほんとうに美味しい。
彼女は夏になると、知り合いの軽井沢の別荘に、コック長として招かれる。
そこにおいらはアシスタントとしてついていく。
別荘の持ち主は結構大きな会社のオーナーで
お中元なんかの贈り物が大量に届いていて
それを仲間で美味しく食べるという催しを開く。
彼女は、どんな食材が出てきても、必ず調理する。
本もネットも見ずに。
これがすごいよ。
すじこからいくらのしょうゆ漬けにする方法なんてさ、
どうやってすじこの膜を取るのか、ってとこでつまづく。
でも彼女はこともなくやってのける。
そしておいらは、その方法をすっかり忘れる。
(箸をざるにつき立ててガシュガシュ混ぜてた光景は覚えてるんだが)
多分彼女はおいらに仕込んで
いずれ自分は楽をしようと思ってたんだろうけど
おいらは彼女のようにはなれなかった。
なんせ、彼女は別荘付近を散歩してて
「あっ、ふきだ!」
とふきを発見し、がっつり収穫して家で佃煮を作ってしまう人なのだ。
おいら、まずふきの選別ができないし
鬼のようなアク抜きができない。
指示されればできるけど、知らないのだ。
彼女は生まれも育ちも超都会。
一体なんで、そんなに料理がうまいのか。
全くのナゾだ。
彼女は20歳前後でアメリカに留学し
ルームメイトのお弁当を作ってあげたら
それを見た人たちから発注を受けるようになり
ケータリング事業を起こして一財産築いたという
料理の申し子みたいな人なのだ。
料理ができる、ってことがすごいんじゃなくて
人の心をがっちり掴む技があるのが、すごい。羨ましい。
彼女の料理の展開方法を聞いてると
経験ではなく、化学でものを考えてるのがわかる。
やっぱり頭がいいと、なにもかも違うなあ。
そんな彼女は、男を見る目だけはなく
5歳年上の同棲相手に
「妊娠したら結婚してやる」といわれ
甲状腺の持病があるのに不妊治療に通ってる。
頼むから違う男にしてくれ。
でも彼女のこういうイタイところも、憧れちゃう。
だってかわいいから。
おいらもかわいい女の人になりたい。というより、なろう。
かわいいとか思ってるあたり、おいらもだめんずウォーカーだという証拠。
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