お育ちのいい夫にてこずる妻日記。エコだったり毒舌だったり。
2025-01
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ハルばあちゃん(父方の祖母)についてはこんなのとかこんなのを書いた。
なかなかカワイイばあちゃんでしょ? しかし。母方の祖母、キクばあちゃんはかなりの曲者。 例えば? おいらの結婚式の後、キクばあちゃんは早速 おいらのウェディングドレス姿の写真を 大判に引き伸ばしてテレビの上に飾った。 そして毎日、 「あー、あいざぁ、綺麗やわあ。 女優さんみたいや。 私の若い頃そっくり」 と、なかなかパンチの効いたコメントをしている。 おいらが美人なんじゃなくて、自分を褒めたいんだよね、おばあちゃん♪ ちなみに、その写真をおいらもみたが、 マンジロウの目が、半開き。 ちょっと怖い。 「おばあちゃん、マンジロウ、変な顔やん」 とおいらが言うと、 「えっ…? ………。 ほんまやなあ。 この人、なんでこんな顔してんの」 おいらが知るか。 「せやけど、今まで気付かんかったわ。 マンジロウはどうせ見ぃひんから」 と、わさびのようにツーンとくる発言を 躊躇なく打ち出してくる。 というわけで、マンジロウはキクばあちゃんがちょっと苦手。 でもおいらは大好き。 先日、久々にキクばあちゃんに電話をかけた。 「気にかけてくれておおきにね。 それに、あんた、いっつも手紙くれてありがとうね。 年取ったらな、あいざぁ。 ええこともあるよ。 おばあちゃん、あいざぁの手紙、テレビの前の箱に入れてるねん。 そんで、いっつも読んでるねん。 年取ったら、ほら、ものおぼえ悪くなるねんな。 せやから、いっつも初めて読む気がするねん」 手紙の内容が覚えられないんだね、ばあちゃん…。 大丈夫かいな。 「毎回初めて読むみたいやねん。 だから楽しいよ」 キクばあちゃんのすごいところは、このポジティブさ。 10年くらい前から「そろそろ死にたいわぁ」と言いながら ぴんぴんしてるのは、そのおかげ? ↑もっとおキクさんのこと知りたーい↑と思ったらクリック。 人気あったらまた書くね。 PR
妹はよくおいらに家族レポートを送ってくれる。
前にも書いたハルばあちゃんは、父方の祖母。 うちの店舗の二階に住んでいる。 日中は、ハルばあちゃんも店舗に出てきて、 あいざぁ父母と一緒に過ごす。 「最近、肩こりがひどいの…」 ハルばあちゃんは、とっても真面目。 真面目だから、どんなことでも真剣に考える。 今までこらなかった場所がこる。 体に異変が起こっている。 「癌かしら……」 ヾ(・ε・。)ォィォィ 展開が早すぎるよ。 じいちゃんばあちゃんズはみんな85を超えている。 体に異変がない方が珍しい。 ハルばあちゃんは真面目だ。 真面目だから、ひとつのことをつきつめて考える。 一日中「癌かしら」と言い続け、 とうとうおいらの父(ばあちゃんの息子)の怒りをかった。 (#`皿´) あほかーっ! なぜか万年反抗期の父。 ハルばあちゃんに、とってもきつく当たる。 自分の息子に怒鳴られて、ばあちゃんはションボリ。 それで終わればよかったんだけど、 真面目だから、 みんなが反対しても全く聞かず、すぐに病院へ。 (頼みの綱の姉は勤務中) 「今まで肩こりなんてしたことがないのに、 急にこんなことになって、どこか悪いんじゃないかと それこそここ何十年、肩こりなんて記憶になくて 子供を背負って店に出ていた時だって肩こりなんてしてなくて やっぱりこれだけ痛みがあるって言うことは 単なる肩こりだなんてとても考えられないですし」 年寄りの話は長い。 模範的なお年寄りであるハルばあちゃんの話も長い。 延々説明するハルばあちゃんに、お医者様、一言。 「老化ですね」 Σ(T□T) 永遠の乙女、ハルおばあちゃん、ショックで立ち直れず。 この気持ち、だれかに聞いて欲しい。 でも店では息子に叱られる。 真面目に考えたハルばあちゃん、 倉庫に嫁(あいざぁ母)を連れ込んで とつとつと愚痴るというアイデアを思いつく。 母が帰宅時に倉庫の前を通ると ハルばあちゃんが待ち構えていて 倉庫に引きずり込まれるらしい。 アリ地獄ならぬ、ハル地獄。 捕まったら最後、エンドレス。 思い立ったらダッシュ、のおばあちゃんにクリックよろしく。
おばあちゃんから手紙が来た。
しっかりとしたアルファベットで宛名が書かれている。 おいらの祖父母は4人コンプリート。 誰の祖父母もそうだろうけど、かなり個性的。 今日書く、ハルおばあちゃんは、その中でも特質。 おいらの祖父母はいわずもがな、庶民。 じいちゃんズは農家の次男と三男。 戦後、一人は商売を始め、一人はエンジニアになる。 この物語もすごいので、またいずれ。 キクおばあちゃんは、生い立ちは普通だが、かなり個性的。 この物語も、いずれ。 今日はハルおばあちゃんのこと。 ハルおばあちゃんは、このメンバーの中で、唯一育ちが違う。 当時大学を出た父を持ち グランドピアノのある家庭で育った、超お嬢様である。 終戦、父親の仕事の関係で満州にいた。 戦後、政府関連会社の幹部だった父親は没落。 混乱の満州からなんとか引き上げた。 人生の大部分を突然失った父親は失意でおかしくなったらしい。 そこで活躍したのは、子供たちだ。 ハルばあちゃんの弟は なぜかロシア語をマスター。 ソビエト人相手に通訳をして収入を得た。 ( ̄д ̄) エーいろいろおっしゃりたいでしょうが、本当です。 このおっちゃん、多分、脳の回路がおかしい。 一週間で言語がある程度マスターできる。 もう80こえてるけど、6ヶ国語以上喋れる。 ヨーロッパ言語が何種類も話せるのは、まああり得るけれど 言語体系が違うものまで体得できる。 おいらも、ちょっとおかしいと思う。 ハルばあちゃんは、そこまで言語能力はないんだけど 中国語はマスター。 実は満州で生活している間は、中国語を使っちゃいけなかった。 だから、終戦のドサクサで一気に習得。 家系的に、言語能力が発達している模様。 ハルおばあちゃんの孫は何人もいるけど、 どうも、おいらが一番彼女の言語能力を継いでる。 ハルおばあちゃんの教える中国語を理解したのはおいらだけだから。 それこそ4歳から、ものの名前を、日本語と同時に中国語でも覚えたがった。 自分でも、「これ中国語ではなんていうの?」って言ってた記憶がある。 もちろん、彼女ほどの能力はない。 おいらの言語って、ほんとテキトー。 残念ながら、ハルおばあちゃんの中国語は日本語訛りで、 おいらはネイティブの中国語を知らずに育ち、 ヒアリング能力は皆無。 だから自分の意見を言うことしかできない。 うーむ、役に立たぬ。 ハルおばあちゃんの弟は、戦後英語とドイツ語をマスター。 ドイツの企業に就職し、なんとドイツに駐在までしていた。 マンジロウの先輩である。(会社は違うけど。ドイツ系でもないし) おいらがドイツに行くって言ったときも ハルおばあちゃんは反対しなかった。 自分の母親も夫について満州へ行ったし、 弟も海外で暮していたから、違和感がなかったのだ。 その分、キクおばあちゃんの反対はすごかった。 理由は「キクおばあちゃんの死に目に会えないから」…。 日本にいたって会えないかもよ?だってあの子のことだもん。 のあいざぁ母の一言で解決。 超お嬢様のハルおばあちゃんが、生き残るために庶民と結婚。 自分も商売を手伝うことになる。 息子たちも、荒っぽい男に育ち、 なんだかなー、と思ってたんじゃないだろうか。 はっきりいって、ハルおばあちゃんの育ちの良さは際立っている。 気品が違う。 家族写真をとっても、彼女だけ女優のような風格だ。 なにせじいちゃんとの結婚式は、 村中の人が息を飲む美しさに圧倒されて なんとも盛り上がらない宴会になってしまったそうだから。 ハルおばあちゃんはよく働いたし、頭もいいから役に立った。 しかしお嬢様ゆえ、天然である。 周囲からはそれを揶揄される。 孤独を感じることもあったろう。 そこにおいらの出現。 まったく同じ天然系。 のんびりおっとり(子供の頃はね)、好奇心は旺盛。 ハルおばあちゃんは溺愛し、おいらにかかりきりだった。 今も、ハルおばあちゃんから手紙が届く。 祖父母ズの中でアルファベットをかけるのはハルおばあちゃんだけ。 彼女は英語も少しなら分かる。おそるべし。 手紙には、新聞の切抜きがいっぱい入ってる。 マンジロウの会社の情報だ。 「いい話ばかりでうれしい」と書いてあった。 そうして毎日気にかけてくれていることが、おいらはうれしい。 今回はそれに加え、古い雑誌の切抜きが入っていた。 おいらが学生時代にバイトで初めて書いた、 フリーペーパーの記事だ。 資料を整理していて、見つけたのだという。 久方ぶりにであう、間違いだらけの恥ずかしい記事。 なんちゅう下手な文章だとへこむが、 やっぱりハルおばあちゃんの愛情に満たされた。 おいらにはもう、ハルおばあちゃんの能力も気品もなくなった。 (昔はなかなか品のある顔つきをしていたのだよ) ハルおばあちゃんから受け継げるものは、何もない。 なにかを継いでみせたいと思うけど、きっとムリだ。 それは継ぐものじゃなくて、育てるものだから。 ハルおばあちゃんを喜ばせたくて、おいらもせっせと手紙を送る。 手紙は、ほんとうにいいもんだと思う。 ハルおばあちゃんのおもろネタも沢山あるんだけど。今日は敬意を表してあたりさわりないとこで。 |
プロフィール
HN:
あいざぁ
性別:
女性
自己紹介:
ドイツ在住、細々とライター業。
海外転勤につられて、まんまと策略婚。 夫との育ちのギャップに窒息寸前。 夫:マンジロウ。日本人だがアメリカ人的思考。 息子:ゴウ。幼児。 ☆☆★★☆☆☆☆☆☆ このブログはリンクフリーです。 気になる記事など自由にリンクしてください。 ご報告いただかなくても大丈夫ですが「貼りました」と連絡もらえれば、遊びに行かせてもらいます。 著作権はあいざぁにありますので、勝手な引用は禁止です。勝手なリライトはおいら泣いちゃうのでやめてください。書き直して酷い文にされることほどツライことはないです。 ★★☆☆☆☆☆★★ コメントは大歓迎です。このブログでは承認制を取っています。 広告コメントはあいざぁの自分勝手な判断で削除しています。ごめんね。
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