新鮮なイカが買えたので、大根と煮込んだ。
久々に味の濃いものを食べた。けど、うまかった。
小ぶりだったから、そのまま煮込もうかとも思ったが
一応ワタをぬいて、骨をはずすことにした。
思い出せば8年前。
生まれて初めて、イカをさばいた。
こんなちびっこいのじゃなくて、すごい大きいヤリイカ(だったっけ)。
さばきかたは知ってた。
まず目玉あたりをぐっと持ち、
頭(?)を押さえ、ぐぐぐっと足を引き抜く。
ところが、どんなに頑張っても出てこない。
足がちぎれてしまった。
なんで出てこないのか?と頭の中を覗くと…
щ(゚ロ゚щ) オーマイガーッ!!
イカ、イカの中にっ
イカと同じ大きさの
サカナがっ
イカって丸呑みするんだね。
おいらが買ったイカは、自分と同じ大きさのサカナを飲み込み
良く見れば変形してたよ。
「これで一週間は大丈夫」とか思ってただろうに
その直後捕まっちゃったんだねえ。
かわいそ。
しかしおいらもまだまだ若造。
それ以上ピクリともさわれなかった。
怖かったんだよね、ほんと。
サカナとか、ガツガツさばいてたんだけど、
このイカの、大自然の営みの前には負けてしまった…。
キモイのっ とにかくっ
イカを前に泣き崩れるあいざぁ。
一体このブツをどうしたらいいのか。
もはやキモくて見てられない。
しかし捨ててしまうわけにもいかない。
いや捨てるか。
ここまできたら捨てるしかないのか。
でもイカの入ってない中華丼なんてっ
懐かしいなあ、あの苦悩。
実はその時、友達と同居してた。
おいらの嗚咽を聞きつけ、彼女が部屋から出てきた。
イカの現状を訴えると
「ああ、いいよ、やったげる」
と、いとも簡単にイカを切り裂き
サカナを取り出した。
手のひらぐらいの大きさのサカナ…
アタマが溶けてたよ。
友達は一言。
「このサカナ、食べる?」
ガ━━━━━━━∑(゚□゚*川━━━━━━━━ン!
お願いです、捨ててください…
と泣きながらお願いしたことが忘れられない。
ああ、おいらは果たして彼女のように強くなれるのか、 と悩んだものだったなあ。しみじみ。
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