言っておくけど、おいら美術館は大好きだけど、
美術の知識はないからね。
ウンチクとか期待しないように。
あ、ちなみに、今日は趣味全開で書いてるので
絵に興味ない人にはつまんない内容です。
そういう人は飛ばしてください。
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金曜の夜中にホテルに着き、
翌朝起きてみたら、
暴風雨だった。
おいら…日ごろの行いが悪いんだろうか?
マンジロウはファンドの説明会へ。
おいらはマルクトに行ってみたんだけど…
土曜日ということで、蚤の市とかあったんだけどさ。
ふきすさぶ雨風に、素人のみなさん、商品雨ざらし。
お客もいないし。
寒いし。
こりゃムリだ、ということで、買い物中心の予定を変更。
なんせ、道端には折れた傘が投げ捨てられてるような一日。
おいらも傘させなくて、コートのフードでしのいでた。
これで観光はないだろう。
なので、美術館にいくことに。
ろくに見てなかったガイドブックを開くと、
ウィーンには良い美術館がいっぱい!
見逃してたけど、近くにBoschボスの絵がある美術館が!
Bosch(おいらはボシュて発音しちゃう)って
日本に来る機会なんてほとんどない(作品少ないし)から
あんまり知られてないんだけど、
シュールで面白い絵を描くの。
一番有名なプラド美術館(スペイン・マドリッド)の「快楽の園」は
「天国」「審判」「地獄」の3部から成ってるんだけど、
天国はふつーなのね。
審判と地獄はもう、怪物と拷問を延々と描いてる。
小さな細かい絵で、偏執的なまでに描き込んでる。
それがなんかもう、夢中で見ちゃうおもしろさなのよね。
ずーっと絵の前に立って、もんのすごい見ちゃう。
「魚の騎士」だとか「人間を足から食べちゃうトカゲ」とかを
よく想像でこんなにリアルに描けるなあって圧倒されちゃう。
マンガのベルセルクみたいな感じ。
こんな面白い宗教画があるのかガガーン、って雷に打たれた気分。
その大好きなBosch、スペインとベルギーにはわざわざ見に行ったのに
まさかこんなふうに、雨のおかげで出会えるとは。
まさに運命。
つか、見逃してたらのた打ち回って後悔してたよ。
しかも所有している「造形美術アカデミー絵画館」は
美術学校でもあるらしいんだけど、
ヒトラーが美術を志し、二回も受験に失敗したいわくの学校!
そのまま美術の道に進んでいたらナチスはなかっただろうっていわれてる
あの美術学校!
すげーすげー。
でね。雨の中、行ってみたらね。
絵が20点くらいしかなかった……
「あのう、ここだけですか?」
と受付の人に聞いてみたら
「今、改装中なんで、来年になったら立派な展示室で見れます」
だってさ。
本当は300点くらい展示してるらしい。
さすがに悪いと思ったのか、
ガイドブックでは7€の入場料が
6€だった…
どうなのそれ。高いだろ…20点で6€は。
それでもBoschは見れたから、大満足!
プラドの「快楽の園」とよく似た絵だったから、ま、ちょっと残念だけど。
美術館は、美術アカデミーというだけあって、
廊下の天井にも絵が描かれていて、
古い雰囲気の造りといい、とても素敵だった。
けどトイレだけ真新しくて、ちょっと笑えた。
しかもおっちゃんが点検に入ってきた。
「心配するな! 点検だから!」
って言われたけど…、土曜日に点検?
とにかく、とっても気をよくしたおいらは、そのままランチに行き、
雨の中、午後も美術館へ!
ここがまた良かった!
ミュージアム・クォーター・ウィーンのレオポルト・ミュージアム。
新しくて、すっきりとした造りで好感が持てる美術館。
回廊になってるので、迷わない。
古い美術館は迷うからね、こういうストレスがないのは良い。
ここはね、クリムトを前面に押し出してる美術館なんだけど、
クリムト自体は数点しかなくて、
代わりにエゴン・シーレがめちゃ充実。
シーレって、人物画に特徴がある。
漫画家でも何人か「影響受けてるなー」って人がいる。
多分、美術の教科書にも載ってたんじゃないかな。
あまりにセクシャルな絵を描いて、当時裁判になったりしてたはず。
でもね、ここにはね、人物画ももちろん沢山あるんだけど
風景画が最高なの!
この人、こんなにチャーミングな風景(家)を描くのね。
一気にファンになっちゃった。
それとこの美術館には春画が一点だけあった。
おいら、本物の春画を観たのは初めてじゃないかな。
そりゃあものすごいイチモツでしたぜ。
そんなこんなで、雨でも楽しかった一日。
翌日は晴れ、マンジロウも一緒に美術館巡り。
実はマンジロウも絵を観るのが好きで、
お互いにBoschのファンだったのには驚いた。
こういう共通の趣味があると旅行が楽でいい。
最初に、おいらの希望してたHundertwasserフンデルトワッサー
(日本語ではフンダートヴァッサーとも書かれる。
ドイツ語での発音はフンデアトヴァッサーが近い)
の美術館。
大阪人なら名前は知らなくても作品は絶対知ってる。
関空近くのゴミ処理場、でっかいパチンコ屋みたいなのがあるでしょ?
あれ、彼の作品。
あと扇町公園の、関西放送のビルも。
簡単に言うと、ガウディみたいな建物を建てる人。
(正確には建築家ではなくデコレーションする人)
美術館そのものも彼の作品なので、すごく楽しかった。
けどそれ以上に、彼の絵がメチャクチャ良かった。
今まで写真でしか観た事なかったけど、
実物は色がキレイ!
好き嫌いがはっきり分かれる作風なんだけど、
おいらは好き。
マンジロウは初めて観て、元々は興味なかったくせに
おいら以上にのめりこんでた。
マンジロウいわく、彼の絵は論理的で哲学的なんだそうだ。
禅問答の謎かけ絵のように、
何十分でも観て、その意味を考えられるらしい。
あー、絵のこと書くと長くなるわ。
これでもほんの一部しか書いてないのに。
もっと書きたいことやまほどあるんだけど、今日は我慢。
めちゃくちゃ長くなってるもん、この記事。
で、最後に行ったのが美術史博物館(KHM)
ウィーンで一番有名な美術館って言っちゃっていいんじゃないだろうか。
なんせ、
フェルメールの「絵画芸術家」が展示されてるんだから!
おまけに前述のBoschまであるんだから(これはショボかったけど)。
なにより、美術館がとても素晴らしいの。
100年くらい前に美術品の展示のために造られたらしいから、
元宮殿とかじゃないんだけど、
そうだとしてもおかしくないくらい、豪華。
大理石に金に壁画に。
いやーん、こんなへなちょこなショップ造らないでーって感じ。
ルネサンス期のでっかい絵を飾るには、
やっぱりこういう建物じゃないとねー。
でもやっぱ迷うんだけどね、道に…。
どこ観てないかわかんなくなっちゃうんだよ。
ソファの充実度が良かったな。
一日のんびりしたい美術館。
マンジロウがHundertwasserから動かなかったから急ぎ足だったけどっ
2日間で4つの美術館を回れるなんてすごい。
しかもそれぞれが個性的で、
いい絵をとても美しく展示していて、
クオリティもオリジナリティも高い!
例えば、一人旅で、のんびり過ごしたいなら
ウィーンはすっごいお勧め。
ちなみにマンジロウは、おいらが出産で日本に帰ったら
一人でウィーン美術館めぐりをするらしい。
羨ましすぎる。

やっぱ一人旅が一番楽しい。
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