マンジロウをののしるんじゃないよ。
マンジロウ「が」ののしるんだよ。
おいら「を」じゃないよ。残念ながら、そういう面白い展開ではない。
ゴウが生まれてから、マンジロウは家に仕事を持ち帰ることが増えた。
それはまあ、いいとして、
彼は英語で仕事をしているわけなので、
メールチェックや返信で時々独り言を英語で言う。
そして言うのだ。
クソと。英語で。
つたわるかなあ。
この滑稽さ。
日本人なんだよ。
それが、英語でののしるわけですよ。
クソだけじゃなく、ビッチの息子、とか言うわけですよ。
わーお、って思うよ、実際聞いたら。
はずかしいっ おいらはずかしいっ
日本人なのに英語でののしるのなんてっ
なんていうか、ちょっと海外にいっただけで
帰国しても「ウープス」って驚く学生みたい。
笑っちゃうよ、ほんと。
彼は本気で怒ったりショックを受けたりしてるんだけど、
聞いてるほうは
「えええ?? 今なんつった?
ぷぷぷっ ひょえー はずかしー」
と、噴き出しちゃう。
一応、指摘してみた。
「マンジロウ、ゴウもいることだし、そういう汚い言葉は使わないでね」
本心は、
そんな間抜けな言葉は使わないでね、である。
「えっ、俺、そんなこと言ってた? 気をつけるよ」
と、無意識を装うマンジロウ。
本当に無意識かな~
かっこいいとか思ってんじゃないの~
クソはともかく、ビッチの息子なんて、無意識に出てくるか~?
おいらはマンジロウに恋などこれっぽっちもしてませんが
100年の恋も冷めるな、この恥ずかしさは。と思います。
やはり日本人は恥の文化ということで。
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