ゴウは日本人だけれども
生後三ヶ月からドイツで育ち、
友達もドイツ人が多いし、
最近ではイエス・ノーもドイツ式になってきて
気性もドイツ人ぽくなるのかと思いきや
すごく日本人くさい。
とにかく、彼はノーと言えないのだ。
例えば、彼の帽子。
話の都合上、画像が必要なのだけれど
そのへんの画像を拾ってくるわけにもいかず
かといって写真撮るのめんどくさいので
アマゾン広告画像貼ります。
↑売るのが目的じゃないんだけど、公平を期すため書いておくと
ここから買うとおいらに20円ばかし入ることになりますよ。
本題に戻る。
ゴウは画像のような帽子をかぶっている。
紐がついているのだ。
この紐、使い道があるって知ってた?
おいらはただのかざりだと思ってた。
民族的なものかと。どこの民族かはしらんが。
そしたら、これにはちゃんと使い道があることを最近知った。
紐を顎の下できちっと結ぶと、
耳あて部分がしっかり耳を覆い、あたたかいのだ。
なんで知ったかというと、
幼稚園に迎えに行ったら、
ゴウの帽子の紐が、しっかりと顎の下で結ばれ
ヘルメットみたいになってめちゃかわいかった。
幼稚園の先生が、そうしてくれたわけだ。
迎えに来たおいらに、ゴウは涙目で言った。
「これ、はやくとって」
そう、ゴウは結ばれるの、嫌だったんだね。
こっそりほどくと、先生にすぐ直されてしまうそうだ。
じゃあ、いやだと言えばいいのに、
先生がにっこり笑って結ぶと、
いやと言えず、
ストレスを溜め続けていた模様。
話変わるけど、上着についてるフードも、
おいらはドイツに来るまで飾りだと思ってた。
日本でフードなんかかぶったこと、一度もない。
でもドイツで、
「あ、フードってあったかい」
と思ったのだった。
防寒目的のものって、
暖かい国では意味を失うのだなあ。
日本で買ったパーカーなんて、
フードかぶろうと思ったら、届かなかったからね。
どれだけ飾りかっていう。
それに上で貼った画像の帽子も、
おそらく日本でデザインしてるんだろうけど、
紐は完全に飾りだよね。
どう考えても結べないよね、この紐。
太いし、長すぎる。
いや、そういう話じゃなくて。
ゴウはこんなに優柔不断というか、
煮え切らなくて、大丈夫なんだろうか。
ドイツ社会でやっていけるんだろうか。
まあ、そのうち日本に戻るだろうけれども、
万が一アメリカなんかにいっちゃったら
やっぱ自己主張できないと、生きていけないんじゃないかなあ。
今日、ゴウは
「お母さんのこと、ぼくは、お空みたいに好き」
と言ってくれた。
両手をうーんと高く伸ばして、それよりもっと好きと言いたくて、
木や、屋根を例えに使い、
その果てに空と言ってくれた。
嬉しい。
おいらは聞いた。
「マリーアンナちゃんより好き?」
マリーアンナちゃんは、ゴウが幼稚園で片思いしている美少女だ。
ゴウはきっぱりと言った。
「マリーアンナちゃんの方が好き」
そっかー……
そこははっきりしてるんだね。
男の子なんて、どぶに捨ててしまいたい。
おかんより彼女ですわ。