むかし、お仕事でオーストラリアに行ったことがある。
憧れのゴールドコースト。
二泊三日、遊びの時間はなし、といっても嬉しかった。
ホテルは高層で見晴らしが良く、
森の中の隙間に家が建っている感じがよくわかった。
日本はもちろん、ドイツとも全然ちがう町の作りだった。
ここでおいらは英語の会議に出席し続けたわけだけども
おいらの英語はビジネレベルではないので、
主催者側が用意した通訳さんの音声ガイドを貰った。
ヘッドホンをつけると、会議室の隅っこの白いブースから
通訳さんの声が聞こえる仕組みになっている。
彼女たち(二人が交代で通訳する)はプロのはずだが
まるでなってなかった。
日本人であることは確かだし、英語力はあるんだろうが
通訳としては最低レベルだった。
信じられないことだけれど、
スピーカーをオンにしたまま
愚痴を言う。
プレゼンテーターが通訳慣れしていなかったらしく、
事前に
「通訳のタイミングのために、文章の合間に一呼吸入れて下さい」
といわれるにも関わらず、喋り続けた。
通訳さんは
「早いっ」
「間に合わないっ」
「ちょっと、区切ってちょうだいよ」
という愚痴ばかり言う。
おいおい。
それより、なんとかして訳してくれまいか。
最終的に彼女たちはやる気を失ってしまい
ガムを噛み出した。ぉお!!(゚ロ゚屮)屮
これにはびっくりしたねー。
なんせ、大音量で他人のクチャクチャいう音を聞かされるんだから。
さすがに腹が立って、
ヘッドホンをはずして自分で英語を聞き取った。
後でレポートを仕上げなくちゃいけなかったけれど
それは周りのネイティブに助けてもらえた。
彼女たちは、アルバイトかなんかだったのかなあ。
いくらなんでも、ガムはだめでしょ。
翌日、通訳さんが替わった。
主催者側に抗議が殺到したかららしい。
当たり前だけど。
新しい通訳さんは、ガムこそ噛まなかったけれど
やっぱりタイミングに苦労していた。
最近、ドイツ人と日本人と一緒に話をする機会があって
必然的においらが通訳的な役割をすることになった。
それでびっくりした。
難しい。
すごく混乱する。
頭の中を日本語回路に切り替えるのに時間がかかる。
ニュアンスの持っていきかたがわからない。
あー、おいらにゃ通訳はムリだなあ。と思った。
あれは特殊能力だわ、きっと。
日本語に切り替える時、脳の中がぐるんと回る気がします。
PR