ひき逃げについて前回書いて、思い出した。
おいら、昔、体験レポで裁判を傍聴したことがある。
一般の人が体験できる裁判傍聴コース。
最初に弁護士のレクチャーを受け、実際に3つの裁判を傍聴した。
それをレポートしたのだった。
一つは、無免許運転で逮捕された男のものだった。
見るからにチンピラで、
飲酒運転を繰り返して免許を剥奪されたにもかかわらず
まだ運転し、
しかも保険にも加入していなかった。
検問でひっかかって、裁判になったらしい。
この男はたまたま人を傷つけなかったけれど、
もし誰かをひいたら、
そのまま逃げるタイプなんだと思う。
裁判官に何か聞かれて
「はいはい、反省してますよ」
って言うようなヤカラだ。ほんと最低。
次は、女子高の前に軽トラを停めて
窓を開けて自分の陰部をさらけだし
女子高生に見せて喜んでいた男。
傍聴席に若い女(=おいら)を見つけて
いきなり興奮しだした。
うーむ、おそろしい。
どちらの裁判も傍聴席はガラガラで
家族らしき人もいなかった。
どちらの男も嫌悪感がつのるタイプで、
話を聞いているだけで、その後姿を見てるだけで
吐き気がした。
最後の裁判は、傍聴席が半分以上埋まっていた。
倒産した(吸収された?)信用金庫の元係長の裁判だった。
彼はきちんと背広を着込んでいた。
傍聴席の一番前列には、目立たないスーツを着たご婦人が
ずっとハンカチで涙を拭いていた。
彼は、回収の見込みの無い不正な融資を行い
金庫の業績を悪化させたという罪に問われていた。
裁判官の言葉に
「間違いございません」と
毎回頭を下げる姿が印象的だった。
事件背景はわからないが、
彼ひとりが、自分の利益のために行ったというよりは
会社ぐるみの不正を押し付けられたような印象だった。
この3人の男たちのなかで
一番人間としてまともそうな彼が
きっと一番罪が重いのだろうな、と思うとやりきれなかった。
おいらは飲酒運転をする人間を心底軽蔑する。
誰かを殺すかもしれない、と考えられないのは
ただバカなのだと思う。
自分の性的な欲望を暴走させる男も同じだ。
おいらの妹は道端で羽交い絞めにされたり、
毎日電車でちかんに合ったりしていた。
だから余計に、リアルに感じてしまう。
でも3人目の彼は
もしかしたらおいらだって、あるいはマンジロウだって
同じ状況ならやっちゃうかもしれない罪で起訴されてる。
生きる、って
難しいなあ。そう思った一日だった。
最近外出してないから、思い出ネタばっかだわ。
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