マンジロウと結婚する時、「犬を飼いたい」と打ち明けられた。
おいらはその時、どうしてもマンジロウと結婚したかったから
(ドイツに来たかったのだ)
「おっけーおっけー。おいら動物好きだもん」
とか言ってた。
が。実は。
おいら、動物飼ったことないんだよね。
動物が好き、というのは本当。
かわいいなあ、と思う。
犬とか触りたい方。
問題は、飼う、ということ。
おいらは一度もペットを飼ったことがない。
好き、というのと、面倒をみるというのは、全く違う。
特においらはケチだから
犬が病気になったり、ドイツだと税金が課せられたりする時に
「金がかかってやだなあ」
とか思うんじゃないか、って心配。
そんなひとでなしなこと、考えたくない。
毎日散歩につれていって、うんちも拾って、
ごはんもあげて、たまには体も洗って、
そういうの、おいら、嫌にならずにできるだろうか?
マンジロウは小さいときから犬を飼っていたが、
アメリカ生活では飼っていない。
実家に犬がいるということは、母親が面倒をみてるということ。
マンジロウが完全に一人で犬の世話をしてくれる保障はない。
これって、つきつめて考えると、おいらの子供欲しくない病に通じる。
子供はかわいい。赤ちゃん大好き。
でも、自分で育てるとなると別。
ちゃんとしつけができるのか、
命の大切さとか節度とか人間としての常識とか教えられるのか、
ものすごく不安。
そのうえ心配なのが、その子のこと、本当に愛せるのか、ってこと。
夜鳴きされたら、どういう行動にでるかわからん。
世の中の親って、ほんと、なんて素晴らしい人格者なんだろう、って思う。
おいらにはできない。
できるかもしれないけど、確信がもてない。
確信がもてないことは、したくない。
大げさに聞こえるだろうけど、
これがおいらの本心なのよ。
命と付き合うんだから、それなりの覚悟が、おいらには必要になってくる。
マンジロウ、ドイツ生活にも慣れてきて
犬が欲しくてたまらないらしい。
おいらは……、やっぱり欲しくない、かなあ。
居てくれたら、癒されるし、生活に彩りが生まれるって、分かってるけども。
あとねえ、ケモノの匂いも苦手なの。
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