家族の中で、おいらが
「怒らせたら一番怖い」という
栄光のランキング第一位になって久しい。
おいらは父のように大声で怒鳴ったりしない。
母のように大声で泣いたりしない。
弟のように壁に穴をあけたりしない。
なのに一位。
なぜなら、蛇のように執念深いから。
ふふふ、マンジロウめ。
今こそへび女の執念を知るべし。
昨日で何回目だろうか。
またもや、おいらの話にケチをつけられた。
車の中で、おいら、すっごく眠かったから
何度か一瞬意識が落ちた。
目が覚めるたび
「あっ、今、寝てなかったよ」
と言い訳をした。
そのたび、マンジロウは「うそつけー」と笑った。
しばらくして、また眠気が来たので、
じっと黙って耐えていたが、
眠気を覚まそうとして
「ううん、寝てないよ」
と言ってみた。
するとマンジロウは
「そうやって人の考えを先読みして
しかも間違ってるのに、
それを前提にして勝手に返事するのって
すごくばかみたいで不愉快だからやめてほしい」
と言った。
(口調は荒めでご想像ください)
なんだそれ。
こういうように、おいらの言動を完膚なきまで叩く、ということを
マンジロウはよくやる。
おいらこそ不愉快だ。
しかも、にこやかな雰囲気で会話が成立しているのに、
そんなことはお構いなしに
一刀両断をやってくれる。
本気でむかつく。
今までは、「ああ、ごめん」と言って黙り込んでいたが
回数も増え、
しかも毎回違う理由で一方的に怒られて
おいらのへびが出てきたよ。
もう二度とお前には話しかけないからな。
話すたんびに、納得いかないことで怒られるのはたまらん。
おいらの笑顔は二度と見れないと思っておけ。
食事は作ってやるが、帰ってくるまで待つことは一切ない。
なぜなら、お前と会話する気がないからだ。
惚れた男なら、やっぱり惚れた弱みでおいらが折れるが
お前には惚れてないからな。
蛇の執念を思い知れ。
久々に怒りMAXで具合が悪くなってきた。風邪ひいたみたい。
PR