マンジロウが日本出張から帰ってきました。
いてもいなくても一緒というよりも
いないほうが楽、というのが正直ところである残念夫婦。
あー帰ってきたな、とは思ったけれど、
その直後に殺意が沸くとは思わなかった。
マンジロウ、真新しいぴかぴかのスーツケースを持ってた。
日本へ行く時は
かなりくたびれたのを持っていたはずだが。
「買っちゃった♪」
と言うので、高かったんだろうなと思ったが
金額を聞いて能面のように表情が消えた。
8万円。
8万て。スーツケースに。
どんだけすごいの、そのスーツケース。
しかも出張サイズだから、おいらにはまったく役に立たない。
ゴウの荷物とおいらの荷物は入らない。
金額だけでも腹立たしいが、
マンジロウの言動がこれまた火に油を注ぐのだ。
「あ~ もう傷がついてるよ。
まあね、スーツケースは傷がついて味になるから
もちろんわかって買ってるからさ、いいんだよ。
まあね…うん、味だよ。うん。そうだよ…」
うざい!
「あっ このハンドルのとこ、欠けてる!
まじか~ これはだめだ、
次の日本出張の時、修理してもらおう」
はあああ?
そういうのは航空会社に保障してもらえ!
そんなちっぽけな傷に保障があるとは思えんがな!
「マンジロウ、そんなに心配なら、
空港でラッピングサービス受けたら?
あのビニールシートでぐるぐる巻きにしてもらうやつ」
ドイツではおいら気づかなかったけど、
スペインにはあった。
巨大なラップでスーツケースをぐるぐる巻きにする。
盗難防止なのか傷防止なのか。
見た目、異様なんだけど
もうマンジロウなんて、この異様さがぴったりじゃありませんか。
精一杯の厭味のつもりではあったのだが。
マンジロウの返答はこれ。
「だめだよ、そしたらこの美しいスーツケースが
見られないじゃないか」
ああ、いつになったら、
いつになったら心から気持ちよく
「おかえりマンジロウ」
って言える日が来るんだろう。
毎回毎回、どっか出張行く度に高いもん買ってきやがって。
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