快晴が続くドイツ。もう夏。
日差しが強すぎて、目がちかちかするので
サングラスをかけている。
日本では滅多にかけなかったのだけれど、
こちらでは黒い瞳のおいらでも、きつい。
青い人たちは、そりゃあ濃いサングラスをかけるわけだ。
おいらのサングラスは、昔の男に選んでもらった。
眼鏡屋の店員と付き合ってた時期があるのだ。
おいらは安いやつでよかったのに、
彼はかなりお高いやつを
「これは似合うよ」
と、割引もしてくれず、定価で売りつけた。
(これはいいやつだから、割引できないんだよーって)
これはお高いやつだし、
めがね男子が選んだ似合うやつだし、と思って
長年使ってきたのだが、
長年といったって日本で海いった時とか数回だけども
とにかく彼と別れてからもずーっと使ってたのよね。
でも、ドイツの強い日差しの中、
ショーウインドウに反射して映るおいらの顔は
やーさんでした。
あらまー ガラ悪いわ、このサングラス。
隣にいた友達に、
「このサングラス似合ってないね」
と確認すると
「うーん、あいざぁにはもっと似合うのがあると思うよ」
とあっさり肯定。
このサングラスは、彼との恋愛の遺物というか、
若かりし頃の恋の最後っ屁というか、
とにかくなにかしらの思い出にくるまれていて、
おいらはまったく正気の目で見られていなかったわけだ。
まさかドイツで4年たたなきゃ正気になれないほど
彼を愛していたとは思えないんだが
最終的においらは正気に戻って
ドラッグストアの安いサングラスを購入。
これが大変評判が良く、
逢う人逢う人、どこで買ったのとかステキよとか言ってくれ、
どれだけ前のサングラスがかっこ悪かったのかというのが
よくわかったわけですよ。
似合わないサングラスを捨てることができたのは
おいらの人生において幸運だと思うけど
恋が終わって風化してちりになってしまって
残るのは残像だけになった寂しさはある。
しかし、かえすがえす思うのは
そこまで好きじゃなかったんだけどなあ、っていう不思議。
マンジロウからは、身に着けるものはいただかない方針でいこう。
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