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お育ちのいい夫にてこずる妻日記。エコだったり毒舌だったり。

2024-05

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じいちゃんばあちゃんの癌のことで、
あいざぁ一家に激震が走った時、

ハナコさんが、失踪した。


ハナコさんは、実の妹(義兄のおば)と、翌日、郷里に向かう予定だった。

亡き弟の13回忌があって、
それに一緒に行く予定だったのだ。


郷里にいけば、懐かしい景色をみて、
懐かしい人たちにも逢って、
きっと良い刺激になる。
そう、姉も義兄も考えていた。

ハナコさんも、郷里に向かうのを楽しみにしていた。
もしかしたら、楽しみにしすぎていたのかもしれない。

昼過ぎに、お隣さんが、
ハナコさんが旅支度をして家を出るのを見ていた。
お隣さんはハナコさんの病状を知っていて、
ゴミだしの日など手伝ってくれる。

姉も行く度に挨拶を欠かさず、
何かあったら連絡をして欲しいと電話番号を伝えていた。

ハナコさんの様子がいつもと違うので、
お隣さんは心配になって、姉に電話してくれた。


一日、早い。

姉は少しパニックになって、おばさんに連絡。
おばさんがハナコさんちまで行ってくれたが、もぬけの殻。
夕方になっても、ハナコさんは帰ってこなかった。

姉は仕事が抜けられず、
義兄が駆けつけたが、
おばさんと義兄が待てど暮せど、ハナコさんは帰ってこない。

警察に連絡し、ただひたすら、無事を祈って待つしかない。


生きた心地がしなかった、と義兄は言ったらしい。
自分が物事を先送りにしたから、こんなことになった。と
泣いて姉に(あるいはハナコさんに)詫びたらしい。

姉は姉で、
ばあちゃんのセカンドオピニオンを取る為に
有名な先生に看てもらえるよう奔走+日常の勤務で
余裕をなくしていた。



ハナコさんが見つかったのは、18時間後。

最寄り駅から4つ先の駅だった。
始発の準備をしていた駅員さんに発見されたのだが、
その姿はひどいものだった。

体中どろだらけで、
服には血までついていた。
傷は擦り傷だったのだが、どこかで転んだらしく、
腰が痛くてまともに歩けなかったらしい。


ハナコさんが警察に保護されて、家に戻った時は、
話すこともできない状態だった。
ずっとぶつぶつ独り言を言い、
放心状態のように見えた。

おばさんがどんなに話しかけても、
ハナコさんは全く反応しない。
このまま元に戻らないのではないかと、
おばさんは泣き崩れてしまった。


仕事を片付けるためにネットカフェにいた義兄が
30分ほど遅れて駆けつけると、
「ああ、アキオ」
と笑ったらしい。

そこから、ようやく話ができるようになった。


アキオはハナコワールドでは息子なので、
つまり母親というのは、
息子には心配をかけたくないのだな、と
おいらはこの話を聞いて、じーんとした。


「まったく、たいしたことじゃないんだから、
そんな心配そうな顔をしなさんな」

とハナコさんは泥まみれ血まみれの服で堂々と言ったらしい。


見つかって、よかった。
誰もがそう思ったけど
事はそんなに簡単ではなかった。



~7へ続く~


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無題
ハナコさん、とりあえず見つかってよかったです。アルツハイマー、とても深刻な病気ですね。今のところ身内にはいないのですが、将来実母や義父母がなってしまったらと思うと・・・耐えられません。よい解決方法があればいいのに・・・。
ごっちゃん 2009/04/06(Mon)22:45:29 編集
怖いよね
遺伝性ではなくて、誰でもなる可能性があるのが怖い~
自分の親も、自分自身も、全然油断できないんだもんね。毎日運動するとか、計算をするとか、予防策はあるらしいけど…なかなかできないもんなあ。
【2009/04/07 05:03】
うちの祖母は
ボケる前からよく東京や千葉の親戚に会いに出掛けていたのですが、ボケ出してからも一人で行き、行方不明になりました。帰って来たのは翌日夕方。どこで一泊したのか?(野宿か?)まるで不明。しかも迷ったのか、帰れなくなり、都内からタクシーで帰宅してきました(!)タクシーの運転手が良い人で、祖母は県と市の名前、本人の名前しかわからないのに家を探してくれたそうです。
しかし・・・都内からは新幹線と電車を使っても2時間半位かかる所に住んでいたので、帰って来たのは良かったけど、その時のタクシー代が大変でした(-.-;)
体が元気だと大変ですね。。。
fl-pikko 2009/04/07(Tue)02:32:36 編集
うわっ!
そそそ、それって10万以上だよねっ。も、もっといっちゃう?きつい~~
無事に帰ってきてくれて何よりだけど、できれば他の方法で帰ってきてほしかった!
アルツの人って、足腰丈夫な気がする…。うちのじいちゃんばあちゃん、頭はしっかりしてるけど、一晩歩くなんて絶対ムリだもんな。
【2009/04/07 05:06】
わかります
ご存知のように、私の祖父母もアルツハイマーです。去年の今頃はまさかこんな日々が訪れるとは思っていなかったと思うほど、二人ともゆっくりとでも確実に壊れてしまいました。子育てと違って介護は、後ろ向きにしか進まないのが辛いですよね。それでも、何かしら楽しいこと、良いことも必ずあります。お姉様にまずご自身のお身体を大切に、とお伝えください。支える側の人が病気になるのが一番大変な事態ですから。
電脳主婦 URL 2009/04/07(Tue)09:04:55 編集
本当ですよね
そうなのですよ!まさかこんなことになるなんて、って思いますよね?もっともっと先のことだと思ってたのに、ガクンって悪くなっちゃう。
姉はかなり疲れきってますが、たぶん一番しんどいのはおばさんですね…。おいらは部外者なので、なんかはらはらします。口出しできないし。
【2009/04/07 14:58】
それが一番怖いですよね
一日同じ質問の繰り返しも、耐えられないものがありますけど、下手に身体が動くから外出してそのまま・・・って多いみたいですもんね。
以前住んでた場所の地区の展示板に、毎回老人の写真付きで「探しています」って記事があったんですよ。
かと言って、一日監視してる訳にもいかないですもんね。
コピ丸 URL 2009/04/07(Tue)09:44:03 編集
えええ~~
やっぱ、戻ってこなくなっちゃう人もいるんだ…。それって、犬みたいにどこかで保護されてるってこと、あまりないと思うから、怪我して動けなくなってるとか…。怖い!ハナコさんにしても、ものすごい健脚なんですよ。何時間でも歩けるんです。それがね、返ってこんな事態に。
本気で監視しようと思ったら、部屋にかぎかけて閉じ込めるしかなさそう。それも非人道的だしねえ。
【2009/04/07 15:01】
う==ん==
ハナコさんまだまだ先があるんですね・・

こうゆう病気とかほんとにどうすればいいのかとゆう時にケアしたりホローしてくれるところが
ほしいです。人事とは思えなくて・・・・・
みどりむし URL 2009/04/07(Tue)10:03:42 編集
ながいよ。
まだまだ続くよ~(苦笑)
ケアしてくれる施設の数も足りないんだけど、何よりハナコさん本人が拒否するのが問題です。それがこの病気の怖いトコ。癌とかなら、本人だって入院して安静にして、ってするけど、この病気はね…。
【2009/04/07 15:03】
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プロフィール
HN:
あいざぁ
性別:
女性
自己紹介:
ドイツ在住、細々とライター業。
海外転勤につられて、まんまと策略婚。
夫との育ちのギャップに窒息寸前。


夫:マンジロウ。日本人だがアメリカ人的思考。
息子:ゴウ。幼児。

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