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お育ちのいい夫にてこずる妻日記。エコだったり毒舌だったり。

2024-05

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ハナコさんが見つかって、
全員がまた今までと同じように生活できると思ってた。
でも、そうじゃなかった。


ひとまず、腰を痛めてることもあるので、
ハナコさんはおばさんちに滞在することになった。
翌日病院に行くという予定。
義兄は仕事のため、家に引き上げた。


姉は義兄が戻るなり、
グループホームの話を持ち出したが、
義兄は
「今回は郷里に帰るという特別な状況だったからだ。
もうこんなことはないと思う」
と言った。

でも、姉はひとまず
ケアマネージャさんに相談することにした。


ハナコさんの怪我は思ったより軽くて、
翌日には普通に歩けるようになった。
見つかったばかりの時のような、
放心状態に戻ることもなく、
元気でニコニコ、いつものハナコさん。


ああ、よかった、もう大丈夫。
みんなそう思ってた。

ハナコさんは数日おばさんの家にいたが、
毎日自分の家に帰りたがった。
おばさんはもうしばらく家に泊めたかったのだけれど、
ガンコなハナコさんは、
自分でタクシーを呼んで、帰ってしまった。


そして、家に戻り、
その翌日、またいなくなった。





今度は5時間で見つかった。
実は、いなくなったことに誰も気付いていなかった。
警察で保護され、
その連絡で発覚したのだ。

なぜ5時間だとわかるかというと、
またしてもお隣さんが見ていたのだ。
(市原悦子…?)

スーパーに行くのとは違う方向だから、
おかしいなあ、と気になっていたらしい。


姉は学会で出張中、
義兄も仕事で出張中だったので、
またしてもおばさんの家に。

今度は放心状態にはなっていなかったけれど、
なぜ隣町にいたのかは、
ハナコさんもわからない。

というか、
「私にだっていろいろあるんだから」
と、うるさく言われることにご立腹。

「どうして私がどこかに行っちゃいけないの?」
ということらしいのだが
警察が「あまりに様子がおかしいので保護した」と言うからには
ハナコさんも行方不明中は怖かったんじゃないだろうか。


姉が徘徊が始まった、と言うと
義兄は怒ったらしい。
これは徘徊じゃない。
ちゃんと目的があって、でかけてるんだ。
郷里に帰るとか、教えてくれないけど、隣町にいったのだって
家を出るときにはちゃんと目的があったんだ。
だからこれは徘徊じゃない。


  _, ._
( ゚ Д゚)


わかるんだけどさ。気持ちは。
現実を見ようよ、おにいさん。


おいらにとってハナコさんは、血のつながりもないし
数回しか逢ったことがない存在。
姉にとっても、それに近いだろう。

でも実の息子には、
この事実は簡単には受け入れられないことなのだ。

壮絶だ、とおいらは思った。
この病気は、ひどすぎる。



姉と義兄が動けないので、
おばさんがハナコさんを面倒見てくれたのだが、
やはりハナコさん、
とにかく自分の家に帰りたがる。


でも今回は、帰すわけにはいかない。


夕方になると、ハナコさんは暴れるようになった。
家に帰らなくちゃいけない、
夫に食事を作らなくちゃいけない、
息子3人がおなかを空かせている。

どんなに「だんなさんは死んだでしょ」
「息子なんてどこにいるの」と諭しても
堂々巡りだ。
スーパーの時と同じ。

おばさんの娘さんが駆けつけてくれて、
24時間誰かがそばにいるような状態。

おばさんはそれまで、
ハナコさんの介護は姉夫婦が同居してすべき、と言っていたが
自分がやってみて、
とても姉ひとりでは看られないと気付いた。



~8へつづく~



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やってみなくても、考えりゃわかりそうなもんだけど。

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うう
不謹慎ですけど、引き込まれるように先を読みたい。
淡々としていながら、病の残酷さが伝わってきます。
私は介護とか戦争とかこわいものから目をそむけるタイプなんですけど。

お姉さんと義兄さんの認識のズレがつらいです。
ココ URL 2009/04/07(Tue)18:38:21 編集
たしかに。
ほんと、このズレっぷりはね…、義兄はみていて、歯がゆいです。
おいらもね、こわいことからは目を背けたいタイプ。でも、すぐそこで起こっちゃったんだよねー
【2009/04/08 22:55】
思い出しました。
無くなった祖母が痴呆でした。というか、アルツハイマーなんだか痴呆なんだか分からない感じで私も両親に詳しくは聞かなかったのですが、徘徊、ありました。しかも何時間でも歩いてしまうから距離が想像つかない位の距離を歩いてしまう。タクシーに乗っては『私、どこに行くんでしょう?』とよく運転手さんに聞いて困らせていたそうです。私は孫の中でも一番年下だった為か祖母と過ごした時間も一番短いので、かなり早いうちに忘れられてしまいました。お正月の集まりなど、あらトモコだったの?今年は知らない人がいるな、と思っていたの。なんて言われたり^^; そして、そうなると周りのケアする親族達の人間性がとてもよく見えてきます。私の母が自分の身体を壊してまで尽くしていたのを思い出して他人事とはとても思わずに毎回読ませて頂いてます。
ともこ 2009/04/07(Tue)19:55:36 編集
この病気は…
お母さん、偉いですね。ほんと、人間性を試されます。おいらはダメダメだと思いますよ。
おばあさんの思い出ね、きっと楽しくて素敵なものが沢山あると思うんです、でもこの病気になっちゃうと、それを上書きするみたいに、病気の大変さが一番強く残ってしまうんですよね。ハナコさんは本当に素敵な女性なのに、「徘徊のときは大変だった」とか、言われちゃうんだなあって思うとね…悲しいです。
【2009/04/08 22:58】
大変なことになってきてるんですね
http://labaq.com/archives/51033310.html
ドイツでは急にいなくなったアルツハイマー患者を探す方法として、こういうことをしているらしいですが、、ご存知でしたか?ハナコさんの場合は行動範囲が広そうだから適用できないでしょうけど。

ほんとはね、義兄さんがハナコさんと2~3日同居して見れば実感としてわかるんでしょうけどねえ。
週末でもどうでしょうか。ハナコさんによっぽどの愛情があるか、仕事ととして接するしかこういう介護は難しいでしょう。あと一人で全部背負わないで、日割り、時間割り分担して世話するとかね。介護経験者の会みたいなのがあったら、体験談とかを聞くのもいいかも。がんばって、、なんて、あまりはりのない言葉しかかけられないけれど。
masami 2009/04/08(Wed)03:16:16 編集
それがねえ
これは知らなかった!ユニークですね!
義兄はねえ、この年末も一緒に数日暮してるんですが、それでも自覚はできなかったんですよね。「確かに忘れっぽいけれど、それでもしっかりしている」と。しっかりしてるのはわかってる、だから苦労してるんだ、と姉は言っておりました。
【2009/04/08 23:02】
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プロフィール
HN:
あいざぁ
性別:
女性
自己紹介:
ドイツ在住、細々とライター業。
海外転勤につられて、まんまと策略婚。
夫との育ちのギャップに窒息寸前。


夫:マンジロウ。日本人だがアメリカ人的思考。
息子:ゴウ。幼児。

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