最近、急におなかが大きくなった。
カットソーなんかを着ると、さすがにもう妊婦だとわかる。
うちでは毎朝、マンジロウが出社する時、
一応玄関までお見送りをする。
いつも「じゃ」程度の短い挨拶でさっさと出て行くだけだから
別に見送らなくてもいいのだが
なんというか、まあこれは儀式なのだ。
今朝、靴を履き終わったマンジロウが不意に、
「おなかに触ってもいい?」
と聞いてきた。
何度も何度も書いてきたように、
我が家は普通のラブラブ夫婦と違って
愛情でつながっているわけではないから、
相手に触れるときにはこのように
承諾が必要なのである。
触ったって、まだ動くわけでもなし。
とは思ったが、まあ、触りたいというなら触らせてやろう。
マンジロウはカットソーの上からおいらのおなかを触り、
じーっと考えてから
顔を近づけて、そこにキスをした。
まじビビった。
硬直しているおいらを残し、マンジロウは去っていった。
一体何がしたかったんだろう……。
妊娠したことで、ビジネスライクだったおいらとマンジロウの関係が
徐々に変わってきてるような気がする。
おいらはまだそれにうまく馴染めない。
つーか、マンジロウ、感情面じゃなくって浪費面で変わってくれ。
おいらよりもマンジロウの方が、 コドモの存在を実感してるのかもしれない。
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