じいちゃんは言った。
「男は食でおさえろ」と。
おいしいものを作っていれば、
ちゃんと毎晩帰ってきて、妻の言うこともよく聞く。
妻が病気になったり旅行に行ったりで
手料理が食べられなくなるたびに、
そのありがたさが身にしみるのだ、と。
それはとても理にかなってる。
でもおいらは、マンジロウがいない時に限って
手の込んだものを作ってしまう。
イジワルするつもりはないのだが、
マンジロウは残業が多い上に帰るコールのタイミングが悪いので、
夕食を作るのが少しストレスなのだ。
時間のかかるものを作ってる日に限って早かったり、
温めなおしたくないメニューに限って遅くて空腹にもだえたり、
そういう経験を繰り返すと、
簡単メニューばっかりになってしまう。
だから一人だと、出来上がってすぐ食べれることもあって
「あれ作ってみよー」とか思えるのだ。
しかし最近、マンジロウがそれに気付き始めた。
自分が出張の時には
毎回、おいらの夕食が何か聞いてくるのだ。
正直に答えると
「それ、今度作って」
と恨みがましく言ってくる。
昨日、マンジロウが言った。
「明日はね、出張者と食べるから、
晩御飯、俺のは作らなくていいからね」
お。ラッキー。
じゃあ、こっそり持ち込んだサトイモが残ってるから…
「で、明日は何を作るの?」
とマンジロウのチェック。
「んー、サトイモがちょっとだけ残ってるから
ヒジキご飯のサトイモあんかけにでもしようかな」
ちなみに、サトイモもヒジキもマンジロウの好物。
日本から帰ったばかりだからできるメニュー。
「わかった、じゃあ、俺、
明日は帰ってくる」
Σ(・ω・ノ)ノ! びっくりっ!
「だって出張者か食材かっていったら
誰だって食材だろっ!」
だそうです。
じいちゃんが言ってたのって、
こういうことなんかなあ。
なんか違う気がするんだけど。
出張者さんがかわいそうなので、
ヒジキごはんは延期にしました。
サトイモがそろそろ限界なんだけどなー。
土日は小旅行へいくので、料理できないんだよな。サトイモ…。
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