ドイツに来たばかりの頃
「日本だったらこんなことないのに!」
とばかり思っていた。
ネットの開通に2ヶ月かかったり、
ドイツ語の発音が下手なことを鼻で笑われたり、
意地の悪い役人に適当なこと言われたり、
まあとにかく、いらっとするたびに「日本なら」と思ってた。
おいらのドイツ生活も5年になるのか、ならないのか。忘れた。
ここまでくると、あれだね。
ドイツだからとか、日本だからとか、ないね。
日本ではやはり、便利なことは圧倒的に多い。
言葉が完璧に理解でき、交渉できるというのは
本当にすばらしいこと。
でも、日本の役所でだってドイツみたくたらいまわしにされたり
結構広いカフェで「バギー畳んでください」とか言われちゃったり
道を譲ってもお礼の一言もないし
っていうか「ありがとう」じゃなくて、なんで「すみません」なんだろう。
なんか、全然「夢の国」なんかじゃない。
そんなことよりも、
桜並木がきれいだとか
白米が美味しいとか
肌の乾燥がましとか
そういうことが重要。
ドイツに来たばかりの時は
なんであんなにやっきになって
日本はいい国だって思いまくってたんだろうか。
誰も彼もがきちんと仕事をして
電車は遅れず、
レストランでは客が入れ替わるたびにテーブルを拭いてくれる。
ああ、書いててやっぱすごい国だと思うよ日本。
でも、それは個性というかね。
どちらがいいとか、悪いとか、住みやすいとかそういう話ではないよね。
そう、そうなんだ。
どちらがいいか、って
必死で白黒つけようとしてた部分が、どこかにあった。
でも今は、どっちもいい。
どちらでも、楽しく生活できる。
ドイツに帰ってきてもガッカリしなくなったのは、いつからだろう。
どちらの国にも足がついている、のかな。
どちらにも根を張ったんだろうか。
確か前回までは、
ドイツに戻って一ヶ月くらい、ちょい鬱な気分だったのに
そういうのがなくなった。
ゴウとの関係が良好なせいかもしれない。
マンジロウとは相変わらず険悪だけども。
ゴウを見ていて、はっとする。
ゴウにとっては、日本がアウェイだ。
ドイツがホーム。
すっかり話さなくなっていたドイツ語があっさり復活し
知らない子とでもドイツ語で会話してるのを見て
この環境こそが、彼の普段なんだな、って思った。
日本のパンは、最初の二週間くらいで飽きたのか
一切食べなくなっていたのに
ドイツに戻った途端
「かたいパンが食べたいよぉぉぉ」
とパン屋に駆け込んだ2歳児。
おいらの大好きなやわらかい日本のパンが、この子は嫌いなんだ。
これからドイツで暮らす方がこのブログ見られてましたら
「ま、5年もすれば、落ち着くんだな」
と軽く考えてください。
多分、何度も「日本だったら」と思うだろうけど
気がつくと、そんなこと考えなくなりますよ。
世界のどの国いっても生きて行けそうな気がする。
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