この夏、あまり暑くなかったとはいえ、
やっぱり猛暑の日はあった。
ゴウの体温が高くて、だっこしてるおいらが汗だく。
新生児には良くないと思いつつ、
クーラーを入れたものだった。
するとキクばあちゃんがこういった。
「昔はクーラーも扇風機もなくて、うちわくらいやったなあ。
近所に社長さんが住んでいて、
そこにはクーラーがあったんよ。
赤ちゃんが生まれてな、
暑い夏もクーラーの中で育ててはったわ。
あんなふうに育てて、
一体どんな子ができるんやろうかと思っとった」
暑い夏、誰もが汗だくになっていた時代。
社長の子供は深窓の令嬢よろしく
家の奥で涼しく育った。
なんだかお蝶婦人を思い浮かべる。
ゴウをクーラーの部屋で育てると、
傲慢なジャイアンになっちゃうって言われてるような気がして、
おいらはちょっとげんなりしはじめていた。
子育てについて、みんな勝手なことばっかり言う。
おいらは放っておいてほしいのに。
「ほんまに、どんな子になるやろうと思ったらねえ、
京大行ったわ」
Σ(゚д゚;) ヌオォ!?
まさかの肯定!?
この流れだったら「高飛車なイヤな子やったわ」になるはずなのに。さすが話術達者。
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