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お育ちのいい夫にてこずる妻日記。エコだったり毒舌だったり。

2024-04

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言っておくけど、おいら美術館は大好きだけど、
美術の知識はないからね。
ウンチクとか期待しないように。

あ、ちなみに、今日は趣味全開で書いてるので
絵に興味ない人にはつまんない内容です。
そういう人は飛ばしてください。



****************************


金曜の夜中にホテルに着き、
翌朝起きてみたら、暴風雨だった。


おいら…日ごろの行いが悪いんだろうか?


マンジロウはファンドの説明会へ。
おいらはマルクトに行ってみたんだけど…

土曜日ということで、蚤の市とかあったんだけどさ。
ふきすさぶ雨風に、素人のみなさん、商品雨ざらし。
お客もいないし。
寒いし。

こりゃムリだ、ということで、買い物中心の予定を変更。

なんせ、道端には折れた傘が投げ捨てられてるような一日。
おいらも傘させなくて、コートのフードでしのいでた。
これで観光はないだろう。


なので、美術館にいくことに。

ろくに見てなかったガイドブックを開くと、
ウィーンには良い美術館がいっぱい!

見逃してたけど、近くにBoschボスの絵がある美術館が!

Bosch(おいらはボシュて発音しちゃう)って
日本に来る機会なんてほとんどない(作品少ないし)から
あんまり知られてないんだけど、
シュールで面白い絵を描くの。

一番有名なプラド美術館(スペイン・マドリッド)の「快楽の園」は
「天国」「審判」「地獄」の3部から成ってるんだけど、
天国はふつーなのね。
審判と地獄はもう、怪物と拷問を延々と描いてる。
小さな細かい絵で、偏執的なまでに描き込んでる。
それがなんかもう、夢中で見ちゃうおもしろさなのよね。


ずーっと絵の前に立って、もんのすごい見ちゃう。
「魚の騎士」だとか「人間を足から食べちゃうトカゲ」とかを
よく想像でこんなにリアルに描けるなあって圧倒されちゃう。
マンガのベルセルクみたいな感じ。

こんな面白い宗教画があるのかガガーン、って雷に打たれた気分。


その大好きなBosch、スペインとベルギーにはわざわざ見に行ったのに
まさかこんなふうに、雨のおかげで出会えるとは。
まさに運命。

つか、見逃してたらのた打ち回って後悔してたよ。


しかも所有している「造形美術アカデミー絵画館」は
美術学校でもあるらしいんだけど、
ヒトラーが美術を志し、二回も受験に失敗したいわくの学校!

そのまま美術の道に進んでいたらナチスはなかっただろうっていわれてる
あの美術学校!

すげーすげー。

でね。雨の中、行ってみたらね。

絵が20点くらいしかなかった……




「あのう、ここだけですか?」

と受付の人に聞いてみたら

「今、改装中なんで、来年になったら立派な展示室で見れます」

だってさ。

本当は300点くらい展示してるらしい。

さすがに悪いと思ったのか、

ガイドブックでは7€の入場料が6€だった…

どうなのそれ。高いだろ…20点で6€は。


それでもBoschは見れたから、大満足!

プラドの「快楽の園」とよく似た絵だったから、ま、ちょっと残念だけど。



美術館は、美術アカデミーというだけあって、
廊下の天井にも絵が描かれていて、
古い雰囲気の造りといい、とても素敵だった。

けどトイレだけ真新しくて、ちょっと笑えた。
しかもおっちゃんが点検に入ってきた。

「心配するな! 点検だから!」
って言われたけど…、土曜日に点検?




とにかく、とっても気をよくしたおいらは、そのままランチに行き、

雨の中、午後も美術館へ!

ここがまた良かった!

ミュージアム・クォーター・ウィーンのレオポルト・ミュージアム。

新しくて、すっきりとした造りで好感が持てる美術館。
回廊になってるので、迷わない。
古い美術館は迷うからね、こういうストレスがないのは良い。


ここはね、クリムトを前面に押し出してる美術館なんだけど、
クリムト自体は数点しかなくて、
代わりにエゴン・シーレがめちゃ充実。

シーレって、人物画に特徴がある。
漫画家でも何人か「影響受けてるなー」って人がいる。

多分、美術の教科書にも載ってたんじゃないかな。
あまりにセクシャルな絵を描いて、当時裁判になったりしてたはず。


でもね、ここにはね、人物画ももちろん沢山あるんだけど
風景画が最高なの!

この人、こんなにチャーミングな風景(家)を描くのね。
一気にファンになっちゃった。

それとこの美術館には春画が一点だけあった。
おいら、本物の春画を観たのは初めてじゃないかな。
そりゃあものすごいイチモツでしたぜ。



そんなこんなで、雨でも楽しかった一日。
翌日は晴れ、マンジロウも一緒に美術館巡り。


実はマンジロウも絵を観るのが好きで、
お互いにBoschのファンだったのには驚いた。
こういう共通の趣味があると旅行が楽でいい。


最初に、おいらの希望してたHundertwasserフンデルトワッサー
(日本語ではフンダートヴァッサーとも書かれる。
ドイツ語での発音はフンデアトヴァッサーが近い)
の美術館。


大阪人なら名前は知らなくても作品は絶対知ってる。

関空近くのゴミ処理場、でっかいパチンコ屋みたいなのがあるでしょ?
あれ、彼の作品。
あと扇町公園の、関西放送のビルも。


簡単に言うと、ガウディみたいな建物を建てる人。
(正確には建築家ではなくデコレーションする人)


美術館そのものも彼の作品なので、すごく楽しかった。
けどそれ以上に、彼の絵がメチャクチャ良かった。
今まで写真でしか観た事なかったけど、
実物は色がキレイ!


好き嫌いがはっきり分かれる作風なんだけど、
おいらは好き。
マンジロウは初めて観て、元々は興味なかったくせに
おいら以上にのめりこんでた。

マンジロウいわく、彼の絵は論理的で哲学的なんだそうだ。
禅問答の謎かけ絵のように、
何十分でも観て、その意味を考えられるらしい。


あー、絵のこと書くと長くなるわ。
これでもほんの一部しか書いてないのに。
もっと書きたいことやまほどあるんだけど、今日は我慢。
めちゃくちゃ長くなってるもん、この記事。


で、最後に行ったのが美術史博物館(KHM)
ウィーンで一番有名な美術館って言っちゃっていいんじゃないだろうか。

なんせ、フェルメールの「絵画芸術家」が展示されてるんだから!


おまけに前述のBoschまであるんだから(これはショボかったけど)。


なにより、美術館がとても素晴らしいの。
100年くらい前に美術品の展示のために造られたらしいから、
元宮殿とかじゃないんだけど、
そうだとしてもおかしくないくらい、豪華。

大理石に金に壁画に。

いやーん、こんなへなちょこなショップ造らないでーって感じ。

ルネサンス期のでっかい絵を飾るには、
やっぱりこういう建物じゃないとねー。
でもやっぱ迷うんだけどね、道に…。
どこ観てないかわかんなくなっちゃうんだよ。

ソファの充実度が良かったな。
一日のんびりしたい美術館。
マンジロウがHundertwasserから動かなかったから急ぎ足だったけどっ


2日間で4つの美術館を回れるなんてすごい。
しかもそれぞれが個性的で、
いい絵をとても美しく展示していて、
クオリティもオリジナリティも高い!

例えば、一人旅で、のんびり過ごしたいなら
ウィーンはすっごいお勧め。

ちなみにマンジロウは、おいらが出産で日本に帰ったら
一人でウィーン美術館めぐりをするらしい。
羨ましすぎる。





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やっぱ一人旅が一番楽しい。



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無題
ウィーンは確かにたくさん美術館ありますね.
自分も6年前ぐらいに一人で行きました.天気もよかったんで,川くだりまでしたので,美術館は2つぐらいしか回れなかったような...2日で4つはすごいですね.
年末ミュンヘンに行ったとき,博物館&美術館を3つ回りました,よく考えたら.(1日で朝から夕方まで.)お昼食べずに,でも最後のは広すぎるので特定部分だけ,という状態でした.博物館だったんでまあいいんですが.
ヨーロッパの美術館は比較的安いからいいですよね,気楽に回れるし.ミュンヘンの美術館は毎週日曜は1ユーロだし(ベルリンもパリも第一日曜日はタダだった気がする.).
なんだか自分も美術館に行きたくなりました.
ぶにょ 2009/03/11(Wed)06:24:54 編集
なにー!
月に一回無料デーというのはよく聞きますが、毎週1ユーロとは豪気。いいなあ。
川下りも楽しそうですね、天気が良かったらやってみたい。やっぱ一人旅は楽しいよね~。でも3つも一日に?それはすごい。結構疲れるのに、チャレンジャーだぶにょさん。
【2009/03/11 20:08】
うわ!いいなあ。
ブリューゲル親子の絵が好きなので、ボッシュ(だと私は思っていた)も好みです。ベルセルク、ここで出てくると思いませんでしたが、言われてみれば確かにあの(”蝕”でしたっけ?)世界。義弟がこの漫画にハマっているので、日本語版もフランス語版も読んでますよ!
フェルメールも好きなので、KHMチェックしてみます。ウィーン、俄然行きたい気分になりました。

改装中なんてがっかりでしたね。私も一昨年ギリシャに行ったとき、アクロポリスの博物館が改装中で閉まっていて、目を潤ませた記憶が。

calisson URL 2009/03/11(Wed)06:34:14 編集
よかったよー
ブリューゲル父はBoschの影響を受けてるってよく言われますよね。たしかプラドで「まんまぱくってるやん」って作品を見ました。でも初期以外ではあんまりそういうのないかも?今回見たブリューゲル父作品は、色彩の落ち着きなんかBoschぽかったですが、そういうの関係なくよかったです。どっちも観ていて楽しい絵ですよね。
しかしフランスでもベルセルクを読んでいるとわ!おいらは帰国して漫画喫茶にこもります。(胎教なんてくそくらえ)
改装もイヤですが、貸し出し中も泣きますよね。今日本でKHMの展覧会やってるみたい。フェルメールとバベルの塔が残ってて良かった!
【2009/03/11 20:22】
羨ましい!!
実は美大に行きたかった私・・・でも、父親に趣味は仕事にならないと猛反対され、諦めたんですよね~。
本場で見たいな~、写真と生とじゃ見え方とかも全然違いますもんね。

しかも、美術館のハシゴなんて・・・日本じゃ出来ないですもんね~、まず少ないし。
コピ丸 URL 2009/03/11(Wed)13:17:19 編集
美大かあ!
おいら描くのはまったくだめなんですよ。反対されますよね、だって実際、美大でて就職に苦労してる友達いたし。今はグラフィックデザイナーとか増えてるからまだましなのかな?
写真と生だと、色が全然違いますよね。でも反対に、クリムトなんかはデフォルメされまくってるから、実物のほうが「あれ?」みたいな作品あります(一部だけど)こんな明るい色なんだー、意外、みたいな。
こっちの美術館はね、日本みたいに混んでないの!ゆったり観れる。それが何より一番素晴らしいです。
【2009/03/11 20:25】
無題
オーストリアギャラリーはヴェルベデーレ宮殿の上館だったと思います。ここにもクリムトやエゴン・シーレ等、前世紀末から20世紀初頭の絵がたくさんありました。クリムトの絵は、ユダヤ人の持ち主に返還されたものもあるようです。

前回の話題になりますが、ウィーンで髭の生えた女の人を見たことがあります。すごく上品な身なりの年配の人だったので、びっくりしました。
MAYU 2009/03/11(Wed)17:37:57 編集
不思議な毛のウィーン
ああ!「接吻」があるとこね!ありがとう、MAYUさん。すっきりしました。ここもいきたかったんだよー!シーレも沢山あるなら、次回は絶対行きます。クリムトも好きだし。
しかしヒゲて。不思議だなウィーン。剃ろうよ。
【2009/03/11 20:28】
オーストリア行かなきゃ!
私もボッシュとエゴン・シーレ大好きです!
ボッシュは私もベルギーで本物見ました。
シーレは私は中学校で知った記憶があります。当時、美術の先生が好きで美術準備室に入りびたっていたので教科書で知ったわけじゃないかもですけど。
クリムトは日本でも人気があるのでしょっちゅう展覧会やってる印象がありますが、シーレの日本(関西)での展覧会って、ずーっとやってないんじゃないかなぁ。。。
ああああ、あいざぁさん、羨ましすぎっ!
私がシーレに影響受けてるんちゃうかなーって漫画家さんですぐ思いつくのは多田由美さんです。

関西テレビのキッズプラザ、入ったことあるのに、大人2人で行って遊んだことあるのに(←あまりに楽しそうで我慢できなかった)、フンデルトヴァッサーって知らなかった。まねっこデザインかと(キッズプラザさん、ごめんなさい)。

ウィーン旅行記の続き楽しみにしてます。
kemuri URL 2009/03/13(Fri)02:29:27 編集
行ってみて~
そうですよね、シーレってあんまし日本に来てないですよね。おいら風景画は初めて見たもん。ウィーンは楽しいですよ、地下鉄やトラムが発達してるから、効率的に動けるし、一日無料券安いし(8時から12時間で4.6€)お勧めです。ボッシュをベルギーで見たってことは、王宮美術館ですね。あそこも広くて素敵な美術館ですよね~吹き抜けが良い!
【2009/03/13 03:04】
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プロフィール
HN:
あいざぁ
性別:
女性
自己紹介:
ドイツ在住、細々とライター業。
海外転勤につられて、まんまと策略婚。
夫との育ちのギャップに窒息寸前。


夫:マンジロウ。日本人だがアメリカ人的思考。
息子:ゴウ。幼児。

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